数学的センス?
高校数学、まして受験数学となると、範囲もそれなりに広くなり、通常、学校や塾・予備校の授業についていくだけでもたいへんです。そんな中、自分はどれくらいまで数学が伸びるのか、と悩んでしまうこともあります。いわゆる“数学のセンス”があるかのかないのかと。
しかし肝心なのは “数学的センス”の有無より、むしろ“数学の基礎力”に足りているかどうか、だと考えます。
- 数学の基礎力とは
1)理解力…公式や解法などをしっかりと理解できるか。
2)計算力…正確性とスピード(処理能力)。プラス先を見通して段階的に展開できるか。
3)説明力…日本語を含めた論理性をともなった説明ができるかどうか。
以上、当然のようですが、やはり大きくこの3つが必要です。
まず、1)しっかりと理解が出来なければ、応用力を期待することは難しいと思います。つねに「なぜそうなるのか」を意識し、そして解決することが不可欠です。この部分こそ伸び代があるかどうか根本的なわかれ目です。
2)も当たり前のように聞こえますが、高校数学になると計算練習を疎かにしがちで盲点ともなります。特にセンター試験、そして理系数学においては計算力の重要度が上がります。また先を見通しながら段階的に式変形をできるかどうか。単なる計算練習だけではなく、応用問題の中での計算力も重要です。
3)は、高校数学特有の要素かもしれません。高度になればなるほど論理的な説明能力が必要とされます。数学の基本である論理整合性は、国語力とも関係してきますし、客観的視野を必要とします。
- 応用について
上記とは別に、数学特有の発想力(着眼点を発見する力)なども必要です。これがいわゆる“数学的センス”の部分かもしれません。数式を図形に置き換えたりするなどの“発想や視点の転換”がスムーズにいくかどうかもポイントです。しかし、結局は「題意を読み取り、自分が知っている解法パターンに落とし込めるかどうか」なので、パターンを覚え、演習量を積むことで、あるいは試行錯誤を重ねることである程度克服できます。
という風に考えると、数学の学力について、“数学的センス”はさして必要がないのかもしれません。
まずは、理解力・計算力・説明力、以上3つの基礎を鍛えること、そして発想や視点の転換ができるように地頭を柔らかく、そして視野を広くしておくことです。