2009/07/27 月

覚え方マニュアル -前半-

暗記について ―覚え方マニュアル(共通・その1)ー

受験勉強において、“覚える”ということがどれ程重要かは言うまでもないでしょう。だけど、「なかなかうまく覚えられないから仕方ない」といった悩みが尽きないのも事実。ここでは“覚える”方法について、科目共通の方法論を紹介します。

1、とにかく丸暗記を避ける
というのも丸暗記ほど、頭に残らないものはありません。たとえば10桁の数字をただ覚えろと言われてもほとんど無理だし、逆に覚えられる人は特別な人でしょう?、、、となります。
まず先決事項として、理解すべきことは理解し、“腑に落とす”(=納得する)こと。ものごとは頭の表面や一部の脳だけで覚えるものでなく、感覚や理性など色んな要素が絡み合うものですし、インプットされたら2次的に他の個所へ伝達されゆくものでもあります。まずはそこに在る規則性や因果関係、導出やそれに至る背景、さらにはちょっとした雑学・雑事でもいいので、納得しつつ一緒に覚えてしまいましょう。そちらの方が、印象にも残りやすくなります。

特に数学の解法を丸暗記なんてしないでくださいね。そんな人はほとんどいないと思いますが、受験に関して言えば、まったくもって意味がありません。解答を理解することを優先しましょう。

2、アウトプットしてみる
つまり、覚えたことを演習を通じて確かめてみます。そこで出来ればひとまず大丈夫です。暗記中の英単語を隠しながら書き取ったり(=「手で覚える」)、習ったばかりのことを人に説明するという作業も然りです(=復唱定着効果)。

3、セット記憶
理科・社会などで、「これは覚えるしかない」と先生に言われたりすることもあるかもしれません。確かに覚える事項の方が圧倒的に多い科目もありますから。しかし、単に覚えるべきこともいくつかのまとまりで覚えると覚えやすくなります(=セット記憶)。さらには、先述の雑学・雑事などを一緒に覚えてしまう、というのもセット記憶の一つです。

4、分類と整理
これは最も暗記の効率を上げる方法論。先述3とも繋がりますが、それぞれ“単品”ではなく、いくつかのまとまりに分類してみます。また、そこに因果関係があるとしたら、線や矢印でつないで、さらに大きなまとまりにしてみてもいいでしょう。*“理解”にも通じる方法です。

5、視覚法
視覚情報を有効に使う記憶法。写真やイラストの活用、さらには分類や因果関係など(先述4)を踏まえ、実際ノートなどにまとめてみることなどです。その際、マーカーなどの色使いも有効で、項目別に色分けすることはもちろん、重要度や定着度で自分なり色を決めておくと見直しの際に便利です。なお、ノートやプリント・教科書などのレイアウトごと覚えてしまうのも“あり”です。ぎりぎり思い出せなさそうなときに、例えば「確か、○○は、□ページの左上あたりに書いてあった」と気づけば、結構な割合で思い出せたりもします。

6、聴覚法
英語などの語学はリスニングを通じて習得が可能と言われますが、さらに自分で単語や例文を暗唱する(実際に声に出す)ことで同様の効果があり、記憶定着にも繋がります。また、歴史の年号でよく使う“語呂合わせ”について、例えば「イイクニツクロウ鎌倉幕府/1192年」という覚え方は有名ですが、これも聴覚を利用した記憶法のひとつだと言えるでしょう。

1~6までを参考に、自分に合った記憶法、あるいは科目ごとに適した暗記法を試行錯誤してください。そして、次の7では受験まで、どのように暗記学習の計画を立てていくかということを考えてみます。(つづく)

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