大学受験コーチングノート

2023/10/12 木

法政大学「よい受け方」一般選抜の入試情報

入試方式別、学部別データからわかる法政大学のよい受け方ということで学部学科別に一般選抜の入試情報を踏まえて解説していきます。

法政大学というと、東京6大学であり、またMARCHに分類される大学です。東京6大学は東大、早稲田、慶応、明治、立教、法政からなるグループで、スポーツは今でもこの6大学でリーグ戦が行われています。実際、法政はスポーツが強いです。また、MARCHに属しており、就職に有利です。MARCHに属しているから就職に強いというだけではなく、就活支援や卒業生のネットワークが就職に有利に働いています。

法政大学の志願者は2023年度全国4位となっており、私立大学では最も選ばれやすい大学の一つであると言えます。この要因として、法政大学は入試方式が変わらず、MARCHの中でも青学や立教などの入試改革を実施した大学と比べて、受けやすいということが挙げられます。一方、入学辞退率は82.5%です。この数字は決して驚くものではなく、明治大学でも入学辞退率は80.4%、早慶でも60%台です。逆に言えば、併願校として選ばれやすいと言えるでしょう。

では、ここから法政大学のキャンパスや学部についてといったことを含めて、法政大学が受験校として選ばれやすい理由、そしてよい受け方を紹介していきます。

まず、法政大学には市ヶ谷キャンパス、多摩キャンパス、小金井キャンパスの3つのキャンパスがあり、15の学部が配置されています。まず、市ヶ谷キャンパスはいわゆる都心型・ビル型といわれるキャンパスで、文系・理系・学際系の計8学部が配置されています。多摩キャンパスは郊外型で、文系4学部が配置されています。キャンパスが広いこともあり、スポーツ施設が充実しています。小金井キャンパスは理系専用で、実験・研究施設が充実しています。以下が法政大学のHPに掲載されていたキャンパスの位置を記した地図になります。バーチャル・キャンパスツアーなどの情報があるので、ぜひ公式HPをご覧ください。

ここから、キャンパスごとに全学部学科を見ていきます。*定員は2023年度入試

まず市ヶ谷キャンパス。法学部は3つある学科の中では法律学科が最も定員が多くなっています。文学部で一番定員が多いのは日本文学です。ここに心理学科も含まれます。経営学部、国際文化学部は法政大学の中で人気な学部となっています。人間環境学部は学際系の学部ですが、文系よりのアプローチで持続可能な社会を目指すといった内容を学ぶ学部です。グローバル教養学部は、英語を学ぶというより、英語で学ぶ学部になっています。

また、市ヶ谷キャンパス唯一の理系であるデザイン工学部では、建築学科が最も定員が多くなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に多摩キャンパスです。こちらは文系学部が中心となっています。

 

 

経済学部は最も定員が多い学部となっています。社会学部は、法政大学の中でも人気で伝統のある学部です。また、比較的新しい学部として、現代福祉学部とスポーツ健康学部があります。現代福祉学部の臨床心理学科は、文学部の心理学科とは異なり、カウンセラーなどを養成する学部となっています。

最後に小金井キャンパスです。こちらは理系3学部が配置されています。

 

 

 

 

 

小金井キャンパスはJR中央線の武蔵小金井駅のひとつ先の東小金井駅、そこから徒歩13分、バスで6分の場所にあります。サイエンス系の学部が集約されています。

理工学部がこの中では最も定員が多いです。特徴としては、機械工学の中に航空操縦学専攻があることや、理工学部と別で情報科学部や生命科学部があることが挙げられます。

 

続いて、入試方式について見ていきましょう。

法政大学は、2/5に全国10都市でT日程統一入試(全学部統一入試)が実施されています。T日程は2014年から複数学部併願可能になり、より受けやすくなりました。入試科目も独自試験2科目で、文系は英語と国語(実質、現代文のみ)あるいは数学ⅠA,ⅡBで受験できます。理系は英語と数学(数Ⅲを含む)です。また、T日程と同日に行われる英語外部試験利用入試は、英語以外の科目で合否を決する入試で、実質1科目での受験です。T日程との併願として英語外検利用があると考えるとわかりやすいと思います。

これ以外にも、A方式、B方式、C方式とあります。A方式は全国6都市で実施される個別日程で、学部別で3科目独自試験となっています。B方式とC方式はいわゆる共通テスト利用型で、B方式が3教科型、C方式が6教科型です。

以下が2024年度のA方式のスケジュールの一覧です。

2月7日 文学部/1日程

哲学・日本文学・史学

経営学部/1日程

経営

人間環境学部 グローバル教養学部
2月8日 法学部/1日程

国際政治

文学部/2日程

英文・地理・心理

経営学部/2日程

経営戦略・市場経営

2月9日 経済学部/1日程

国際経済・現代ビジネス

社会学部/1日程

社会政策・メディア社会

現代福祉学部

福祉コミュニティ・臨床心理

2月11日 情報科学部/1日程

デジタルメディア

デザイン工学部/1日程

都市環境・システム

理工学部/1日程

機械工学・応用情報工学

生命科学部/1日程

生命機能

2月12日 経済学部/2日程

経済

社会学部/2日程

社会

スポーツ健康学部
2月13日 情報科学部/2日程

コンピュータ科学

デザイン工学部/2日程

建築

理工学部/2日程

電気電子・経営システム・創生

生命科学部/2日程

環境応用化学・応用植物

2月14日 法学部/2日程

法律・政治

国際文化学部 キャリデザイン学部

法政大学は同じ学部でも複数に日程がわかれていることがあります。

ではここから、キャンパス格差問題について、実際の入試データを用いてみていきます。これは他の大学でもあることですが、法政大学では市ヶ谷キャンパスと多摩キャンパスで格差があります。T日程の合格最低点について一覧にしました。左2列が市ヶ谷、右側が多摩です。

 

 

 

 

 

 

文学部の日本文学と地理は入試科目が異なるので、一概に比較はできませんが、全体としてみると、市ヶ谷キャンパスの方が、合格最低点が高くなっています。例えば、経営学部と経済学部を比べると、経営学部の方が3~4%合格最低点が高いです。しかし、キャンパス関係なく人気学部は合格最低点が高く、特に太字で書いてある部分は高めになっています。

続いて理系学部について見ていきましょう。

 

 

 

 

 

青字で書いてあるところは入試科目が別とは異なり、数Ⅲが不要です。また、太字が人気な学科になります。見てわかる通り、理系はキャンパスによる格差はないと言えるでしょう。

 

次は、いくつかの学部学科をピックアップして入試方式別のデータを見ていきます。*以下2022年度入試のデータ

まずは、法学部法律学科を見ていきます。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 45人 164 7.3倍 65.9%(2科)
英語外部試験 5人 28人 6.5倍 67.4(1科)
A方式 198人 623 5.7倍 63.6%(3科)
共テB方式 35人 413人 4.6倍 81.4%
共テC方式 10人 251人 1.9倍 69.0

T日程とA日程を比べると、A日程の方が定員が多く、倍率も低いため、受かりやすさはT日程よりもA日程の方が上だと言えます。これはほとんどの学部学科に当てはまることです。また、T日程と英語外検利用を比べてみると、英語外検利用の方が合格最低点が高いです。これは実質、国語の合格最低点が高いことを示しています。それから、共テC方式は得点率が7割を切っているのでかなり狙い目です。

次は社会学部です。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 20人 117人 4.8倍 63.6%(2科)
英語外部試験 7人 22人 22.6 72.5%(1科)
A方式 152人 536人 4.0倍 64.6%(3科)
共テB方式 20人 144人 3.3倍 79.7%
共テC方式 5人 75人 1.9倍 69.8%

英語外検利用の倍率が22.6倍と非常に高いですが、これは出願資格が2級以上だと考えられます。社会学部はマスコミ志望に人気で、それほど簡単ではありません。また、A方式の国語は古文漢文を出題しません。

次はデザイン工学部都市環境デザイン工学科です。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 8人 53人 6.0倍 66.8%(2科)
英語外部試験 2人 10人 11.0倍 85.2%(1科)
A方式 40人 217人 4.2倍 68.4%(3科)
共テB方式 13人 102人 3.8倍 69.8%
共テC方式 3人 62人 2.9倍 68.9%

T日程は理系の中で倍率が高いほうで、英語外検も2級以上と出願しやすく、高倍率になっています。共テ利用は7割を切っているので狙い目です。

続いて、デザイン工学部システムデザイン学科です。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 8人 31人 11.4 72.2%(2科)
英語外部試験 2人 10人 13.5 84.4%(1科)
A方式 40人 182人 5.2倍 75.7%(3科)
共テB方式 13人 90人 4.8倍 75.8%
共テC方式 3人 58人 2.9倍 68.7%

T日程は数Ⅲが不要なので高倍率となっています。また、A方式も数Ⅲが不要です。ただ、共テ利用は先ほどの都市環境デザイン学科と比べると、合格最低点が高くなっています。

次は理工学部機械工学科です。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 14人 68人 4.9倍 65.4(2科)
英語外部試験 2人 15人 6.2倍 76.4%(1科)
A方式 40人 400人 3.5倍 65.2%(3科)
共テB方式 17人 243人 2.9倍 65.0
共テC方式 5人 119人 2.7倍 69.6%

T日程はデザイン工学部と比べて、合格最低点が低くなっています。また、共テ利用のB方式は65%と、更に狙い目になっています。

最後に、生命科学部生命機能学科です。

入試方式 定員 合格者数 倍率 合格最低点
T日程 5人 22人 5.4倍 66.4%(2科)
英語外部試験 1人 8人 9.1倍 84.6%(1科)
A方式 36人 329人 3.4倍 66.1%(3科)
共テB方式 7人 120人 3.5倍 67.4%
共テC方式 3人 90人 2.4倍 68.2%

T日程、A日程ともに数Ⅲが不要であり、併願しやすい学科です。T日程に関してはこれまで取り上げた中で最も合格最低点が低いです。一方で、英語外検は合格最低点がかなり高いです。

以下は全学部全学科のT日程とA日程の偏差値比較表です。T日程のほうが高い場合は赤色、低い場合は青色にしています。まずは文系です。

 

 

 

 

 

続いて理系になります。

 

 

 

 

また、英語外部検定利用についてですが、全学科で実施されているわけではありません。また、GIS学部を除いてすべて出願方式型となっています。出願資格としては概ね、英検2級以上と準1級以上で分けられるので以下にまとめてあります。右に一部の学科について載せています。

 

 

 

 

ここからは法政大学のよい受け方についてみていきます。

1,T日程は受験2科目に自信がある人向け &複数学部併願は合格最低点を参考に!

2,英語外検利用は2級レベルの高倍率をできるだけ避ける

3,個別A方式は2日程の受験も検討

4,共テ利用方式はB方式・C方式ともに狙い目

それぞれ、まず1番について、T日程は英語と国語のみの試験なので、理科社会に自信がある人は、同日の明治の全日程を受けた方がよいかもしれません。次に2番について、英語外検は準一級以上の学部で初めてメリットがあると思われます。続いて3番について、同じ学部なのに2日間行われるところもあり、出題形式も変わらないので、せっかくなら2日程受けたほうがよいかもしれません。最後に4番について、B方式含めて倍率も合格最低点も低いので、MARCH以上に拘るならば、狙い目なので出願しておいた方が良いでしょう。

 

詳細はこちら↓の動画でも解説しています。

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