東大英語 形式&傾向と対策
東大英語は文系・理系共通で120点満点・試験時間120分(リスニングを30分程度含む)で実施される。
大問別出題内容・特徴
以下、これまでの傾向として大問別に整理すると
〈1―A〉 要約 (記述式)
〈1-B〉 文補充、パラグラフ整序他 (客観式)
〈2-A・B〉 英作文 (記述式) *09年度はAが空所補充(部分英作文)
〈3-A・B・C〉 リスニング (客観・記述)
〈4-A〉 文法・語法 (客観式) *整序作文の場合あり
〈4-B〉 和訳 (記述式)
〈5〉 長文読解総合 (客観・記述)
という大まかな内容・分類は変わらず、この分類の中でマイナーチェンジが随時されていく。
大問別配点
実際の入試では非公表だが、参考として、駿台と河合の東大模試から配点を抜粋・掲載する。
駿台東大実戦:〈1〉20点(内A12点)、〈2〉30点、〈3〉30点、〈4〉20点(内A5点)、〈5〉20点
河合東大オープン:〈1〉18点(内A8点)、〈2〉24点、〈3〉28点、〈4〉25点(内A10点)、〈5〉25点
*河合はその都度配点が変わるが凡そこんな感じ。
大問別得点率・平均点
そのときの難易度によって異なるので一概には言えないが、総じて〈1〉の平均点は低い印象である。受験生自身が〈1-A〉の「要約」や〈1-B〉の「文補充・パラグラフ整序」で点数が取り辛いと想定している場合もよく見られ、それもあってか解く順番を後回しにすることが多い。そのことも平均点が下がる要因だと思われる。
〈5〉長文読解は大学受験生にとってはあまり慣れない小説・エッセイが出題されることもあり、また設問レベルが高い場合も多く、平均点が低くなる傾向がある。
さらには〈4-A〉「文法・語法問題(誤文訂正)」あるいは「整序作文」もなかなか確実に点がとれるとは言い難い問題レベルであることが多い。
時間配分と解く順番
東大英語で必ず考慮しなくてはならないのは、開始45分後にリスニング(放送)が実施されること。よってリスニングの直前に取り掛かる問題をどれにするかを事前によく考えておく必要がある。つまり、仮にリスニングの開始時間に別の問題を解いている途中だっだとしても、即座に対応できるようにしておくことが肝要だ。あとは個人の得意不得意とも関係してくるので、一概には言えないところである。
分量・語数
例年、リスニング・英作文を除いてトータル2500語前後の英文が課されていることになる。特に〈5〉は1000語前後、〈1-B〉は選択肢文(計200語程度)を含めると700~900語前後の語数となり、リスニングを除いた時間(約90分間)でそれらすべて読み解くことを考えると相応のスピードが要求される。よって受験学年では300語以上(できれば1000語クラス)の英語長文を使って読解練習をしておくことも必要だろう。
対策・学習指針
大まかな対策・学習指針としては
1,読むスピードを鍛える&傾向に慣れる *これが東大英語の絶対条件
2,リスニングとライティング(英作文)、さらには和訳問題等である程度得点を見込む
3,〈5〉のエッセイ・物語文の読解練習をしておく *東大以外ではあまり見られないため
以上が一般的な対策かつ優先課題だと思われる。とにかく読解練習の際、内容理解と速読の両方を意識し、早い段階で一定の“読解力”をつけておくこと。尚、文法・語法や語彙については然程高度なものは必要がないとよく言われるため、私大併願を考えない場合はあまり注力しない受験生も多い。ただし、無論あるに越したことはない。
目標最低点
他教科との兼ね合い、さらには科類によるが、あえて言うと、文系であれば70~80点(6割前後~2/3程度)、理科1・2類の場合は理数系科目が得意でも60~70点(5-6割)は欲しいところ。そのためにはある程度配点が高い大問や分野(例:英作文・リスニング等)を捨てないことと、比較的簡単な問題(標準的な問題)で失点しないことが必要不可欠だ。尚、理科3類志望者は90点(75%)を目標にするとよいだろう。
注)各予備校模試の点数・結果は、配点や採点基準の相違のため実際の入試と同等だとは限らない。