大学受験コーチングノート

2014/06/09 月

日本史と世界史の学習法(基本編)

文系志望にとってはとても重要な日本史と世界史。「覚えればいい科目」と言われるばかりで、学習のプロセスについて語られることが少ないようです。ここでは日本史と世界史に共通する基本的な方法論を記しておきます。

●一通りをいつ終えるのか

日本史(略:日史)と世界史(略:世史)ともに広い範囲を何度も反復することが大前提。そうすると、範囲の一通り(特に通史)をできるだけ早く終えた方がよいわけです。現役生でもできれば夏までに一通りは終えたいところ。実際、入試では時代別の出題より、時代をまたがっての流れの中で出題されることが多くあります。理解を深めるためにも意識すべきことは“歴史を俯瞰すること”なので、全体像をつかんだ状態で詳細を覚えていくように心がけましょう。急ぎたい場合は、一冊にまとまっている「大人向けの教科書」などを使う方法もあります。

尚、模試の範囲は、夏までは現役生に配慮して全部ではありません。遅れている人は、最低限、それをペースメーカーに学習しておきましょう。

また、文化史やその他のテーマ史に加えて、世史であれば地域史(周辺地域史含む)、日史であれば史料問題などについて、夏以降にあらためて時間をとる必要があります。

●メイン教材を1つに決める

覚える用のメイン教材を1つに決めます。たとえば、教科書、学校や塾配布のプリントやノート、書き込み教科書、予備校のテキスト、などありますが、その中から1つ決めます。あるいは自分でまとめたノートでも構いません。そして、細かな情報を後から足せる(書き込める)ようにしておきます。

●用語集と図説の活用

メインの教材が決まったら、調べる用の「用語集」とビジュアルが豊富な「図説」をできるだけ併用しながら学習を進めます。まさに理解と定着を補完してくれるものです。尚、「用語集」は頻度が記してあるので、頻度が低いものは参考程度と位置付けておきましょう。

●覚えたかどうかの確認

学校や塾でまめにテストがあればよいですが、そうでない場合は自分で“覚えたかどうかの確認”をしなくてはいけません。先述のメイン教材が下敷きで隠せるようになっていれば、そのまま定着確認ができます。また「一問一答問題集」などを使ってもよいですし、その他の問題集を使ってもよいです。ちなみに、覚えるための単純作業としては、手と口を動かすこと、これに限ります。世史のわけわからないカタカナ用語は口を動かし、日史の漢字の難しい人名は裏紙などに書きなぐりましょう。

●順番と年代の整理

日史・世史ともに、人名や出来事の名称を覚えることが基本になりますが、“順番”や“年代”を覚えることがテストで得点をとるために欠かせません。ぜひ順番と年代をあわせて覚えましょう。図説や教材の欄外などにあるものをうまく活用すると同時に、語呂なども積極的に使ってみましょう。

●論述対策

国公立や一部の私大では論述問題が出題されますが、必要な人は早めに取り組んでおくべきです。論述対策の勉強をすることで、理解が深まり、細かい用語の定着も上がるからです。予備校や塾で授業を受講することもできますが、最近は色々な論述対策本が出ているので、1・2冊選んで読んでみるとよいでしょう。

●正誤問題

日史・世史ともに、特にセンター試験や一部の私大では正誤問題が多く出題されます。一方で、正誤問題になると途端に正解できなくなる学生も多いようです。原因としては、(1)個別の事項の定着が曖昧、(2)年代や順番の未定着、(3)周辺知識の不足、(4)設問形式自体が苦手、などが考えられます。(1)や(2)は先述を参考にして、ひたすら暗記をしてもらえればよいのですが、やっかいなのは(3)(4)の場合です。(4)は、慣れと注意力を養成する必要があるので、正誤問題集を1冊購入してあたるとよいです。(3)も早めに問題演習に取り掛かり、自分に欠けている“周辺知識”が何なのかを分析するとよいでしょう。たとえば、日本史でいえば、「古い地名がわからない」「古文体の史料が読めない」、世界史では「地理の基本がわかっていない」「逆に日本史がわからな過ぎる」など、ということがありえます。

最後に、“周辺知識”について述べましたが、これは設問形式によらず、最終的な得点に少なからず影響してくることです。あらためて自己点検をおすすめします。
話は戻りますが、最も大切なことは“反復”です。そして、反復のサイクルを徐々に上げられるように、“覚えたところ”と“そうでないところ”の区別を一目でわかるようにしておくこと。これが効率UPの必須条件です。
大学受験コーチングノート一覧

大学受験コーチングノートの最新記事