東大推薦入試について
2016年度(現高1生受験時)から東京大学が後期入試の代わりに推薦入試を導入します。
以下概要
<条件>
学校長の推薦のもと高校当たり2人まで(浪人生可)
特定の学問分野に強い関心があること
<流れ>
11月・・・出願(論文提出)*一次選考(書類選考)の場合あり
12月・・・面接(長時間・複数回) →合格内定
1月・・・センター試験(基準点予想75%~80%程度か) →決定
<定員>
全体で100人*科類ごとに設定予定(=単純計算で現行の科類あたり10~20人程度)
<受験の観点からの所感>
以上から考えると、まずセンター試験を利用する時点である程度の幅広い科目における学力が要求されます。最低でも“ふつう”の国公立大学レベル以上だと思われます。
それから「特定の学問分野」に関して論文を書かなくてはならない、そして複数回・長時間の面接が12月に実施されるので、そこに時間を割かねばならず、安易に併願ができない(ただし学校推薦がとれれば浪人生は比較的受けやすいかも)、さらに東大に2ケタ受かるような進学校では学校推薦自体がとりにくいのでは、、、と考えるとやはりハードルは高いでしょう。
一方、最も重視されるであろう面接では、学力や専門知識だけではなく、コミュニケーション力や主体性が問われる、ということだと思います。だいたいの東大推薦志望者にはそれらが相応に備わっていると思うのであまり対策などする必要はないでしょうが、論文の書き方やディスカッションなどは対策した方がよいかもしれません。
いずれにせよ、従来の学力試験とは別の基準で人材が選ばれることになります。つまり考え方によっては“門戸”が拡大されるわけです。志しがあればチャレンジして欲しいと思いますが、その一方で、おそらく大学が求めている人材は「東大に入りたい人」ではなく「東大に入って○○をやりたい人」「東大を出た後に○○をやりたい人」だと感じます。東大に入ることが目的化してしまうことに釘を刺すという意味ではよいことかもしれません。
ちなみに東大のよいところは人材の“多様性”だと思っています。ぜひその回復に繋がることを期待したいです。