東京科学大(東工大&東京医科歯科大)2025入試要項と2024入試結果をまとめて解説
今回は東京科学大即ち現東京工業大学(以下:東工大)そして現東京医科歯科大の2024年度入試結果と2025年度入試要項についてまとめて解説していきたいと思います。
東工大と東京医科歯科大、両方とも東京にある国立大学しかも最難関といっていいと思いますが、その2校が2024年秋10月に統合され東京科学大となります。よって2025年度の入試は東京科学大という名称で実施されます。
2025年度入試は基本的には従来の入試、それぞれの大学ともにほぼ変更はありませんが、たとえば共通テストの情報Ⅰの扱いがどうなるのかなど、それからそれぞれの学部や学院の入難易度・入試結果などを含めてまとめて一気に解説していきます。
東工大の学部構成はこちら
東工大の学部は学院という呼び方をしています。それぞれの学院ごとに定員が設けられていて入試が行われます。そして2年次にそれぞれの系やコースにわかれて専門的な内容を学ぶという流れです。
キャンパスは大岡山がメインですが、生命理工学院と情報理工学院の一部が、すずかけ台キャンパスで2年次以降学びます。
東工大2次試験配点
数学 | 英語 | 物理 | 化学 | 合計 |
300点 | 150点 | 150点 | 150点 | 750点 |
180分 | 90分 | 120分 | 120分 |
東工大の場合、一般選抜は前期日程のみになります。共通テストは足切りのみで使用して2次試験時の合否決定には使用されないというのが最大の特徴です。
2025年度もこれまでと科目配点などは変わらず。ご覧の通り、英語の配点が150点と少な目で、数学や物理化学など理系科目重視の配点となります。試験時間も数学・物化は長めであわてて解く必要はありません。ちなみに英語は超長文2題で割と時間がきつめです。
時間割としては1日目に数学と英語、2日目に物理・化学となります。
東工大共通テスト配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科1 | 理科2 | 外国語 | 情報 | 合計 |
200 | 100 | 200 | 100 | 100 | 200 | 100 | 1000 |
一方、共通テストは前述の通り、第一段階選抜、足切りのみでの使用となります。配点はフラットで2025年度からは新規で情報Ⅰが加わり、計1000点満点。情報は100点の扱い、英語リーディングとリスニングの配点比率は1:1です。
一次試験の足切りは非公表ですがここ2-3年6割台くらいだと思われます。(2024年度は550/900=6割強、2023高い年度でも65%(585))
多めに見積もって、7割に届かなくても足切り通過が可能。実際に合格者の分布としても他の国立大学に比べて共通テストがよくなくても合格している人が割と多くなっています。
ただし総合型選抜などは8割程度。総合選抜についてはあとでまとめて触れます。
では2次試験でどれくらいの点数をとればよいのか合格点を学院別に見ていきます。
下の表は、2024年度前期日程の最高点・最低点を学院別にまとめたものです。
最も高いのが、情報理工学院の435点(得点率58%)、次いで、理学院の420点(得点率56%)
逆に最も低いのが、生命理工学院の370点(得点率49%)になります。
合格最低点が高い順に並び替えるとこうなります。
合格最低点順位 | 合格最低点 | 実質倍率 |
情報理工学院 | 435 | 4.8 |
理学院 | 420 | 4.4 |
工学院 | 391 | 4.0 |
環境・社会理工学院 | 383 | 3.8 |
物質理工学院 | 379 | 2.5 |
生命理工学院 | 370 | 1.9 |
倍率の高い順と同じです。
東工大は、2023年度までは第3希望まで希望の学院を出すシステムでしたが、2024年度から第2希望までの出願に変わりました。
3年分の学院別合格最低点の推移表です。
昨年度、情報理工学院は定員が大幅に増えたので、その影響もあってか最低点が下がっています。一方理学院の最低点が大幅に上がりました。
合格最低点はその年の入試難易度によって上下しますが、2023から2024に関しては情報理工以外の合格最低点が上がっています。
また、2年前と比べると、環境社会工学院が第6位から第4位に浮上しています。文理融合系として人気が上がっているのかなと思われます。
最後に総合型選抜・学校推薦型選抜についても簡単に触れておきます。
総合型選抜については第一段階選抜として共通テスト全科目分、2025年度いうと6教科8科目1000点分が利用されます。第2段階の合否判定としても情報理工学院および環境社会理工学院以外は使用されます。女子枠の理学院も第2段階で共通テストは不要ですが、それでも東工大の総合型は第一段階選抜の倍率も高いので8割くらいを目標にやっておいた方がよさそうです。
続いては東京医科歯科大学の話に参ります。
全学部共通で1年次は教養学部に在籍し国府台キャンパスで学びます。2年次以降は都心の湯島駿河台キャンパスで学びます。
まず医学部医学科の前期日程から見ていきます。
東京医科歯科大学医学部医学科 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | (200) | (100) | (200) | (200) | (200) | (100) | 180 |
二次 | ― | ― | 120 | 120 | 120 | (面接) | 360 |
2次試験では点数化はされませんが面接あり、これを含めて科目配点は歯学部歯学科も同じ。
2024年度の合格最低点384点。共通テストのボーダーが90%だとすると2次試験で360点中最低222点61%ほどの得点率が必要。
東京医科歯科大学歯学部歯学科 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | (200) | (100) | (200) | (200) | (200) | (100) | 180 |
二次 | ― | ― | 120 | 120 | 120 | (面接) | 360 |
一方歯学部のボーダーは74%、そうなると2次試験で360点中131.2点取ればよく、これは2次試験だけでみると36%の得点率。2次試験の問題は数学のみ医学部と歯学部とで異なりますが歯学科でも数Ⅲまで必要。理科はほぼ一緒ですが一部問題が免除される形になります。最低得点率の低さから、医科歯科大学医学部・歯学部の入試問題の難易度が伺えると思います。
つぎは、医学部保健衛生学科看護学専攻と検査技術学専攻について、その科目配点を見ていきます。
医学部保健衛生学科看護学専攻 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | (200) | (100) | (200) | (100)
(200) |
(200) | (100) | 560 |
二次 | ― | ― | ― | ― | 120 | 小論180 | 300 |
医学部保健衛生学科検査技術学専攻 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | (200) | (100) | (200) | (100)
(200) |
(200) | (100) | 560 |
二次 | ― | ― | ― | ― | 120 | 小論180 | 300 |
共通テストに関しては、両専攻ともに6教科8科目で同じですが、看護学専攻の場合は理科が理科基礎2科目でもOKになっています。そして、2次試験は英語と小論文のみ。対策はしやすいですが、英語は記述中心の問題になっています。共通テストのボーダーラインは73%。一方、検査技術学専攻は、共通テスト1000点満点を720点に圧縮します。そして、2次試験で英語に加えて数Ⅲを含む数学と理科2科目の合計360点。数学は歯学部と同じ問題、理科も基本的には歯学部と同じ出題になります。異なるのは、1次と2次の配点比率です。検査技術学専攻は共通テスト重心の720:360ですから、共通テストのボーダーラインは68%とありますが、共通テストでできるだけ得点をして、2次試験で逃げ切るといった戦略が有効だと思われます。
最後に、歯学部口腔保健学科口腔保健衛生学専攻と口腔保健工学専攻を見ていきましょう。
歯学部口腔保健学科口腔保健衛生学専攻 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | (200) | (100) | (200) | (100)
(200) |
(200) | (100) | 560 |
二次 | ― | ― | ― | ― | 120 | 小論180 | 300 |
歯学部口腔保健学科口腔保健工学専攻 前期配点
国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報Ⅰ | 合計 | |
一次 | 140 | 60 | 120 | 80 | 180 | 60 | 640 |
二次 | ― | ― | ― | 小論100 | 面接100 | 実技100 | 300 |
まず、口腔保健衛生学専攻ですが6教科8科目で先ほどの看護学専攻と同じような得点配点です。理科は理科基礎2科目でもOKです。共通テストの配点は630点で共通テストボーダーは59%です。2次試験も看護学専攻と同じように英語120点と小論文になります。一方、口腔保健工学専攻は、共通テストは独自の傾斜配点となって合計630点に換算されます。そして2次試験が小論文、面接、実技になります。実技は粘土を使った成形が課されるそうです。共通テストのボーダーは59%です。
改めて、東京医科歯科大学前期の合格最高点、最低点、平均点は以下のようになっています。
2次試験の問題・配点が学科・専攻によって異なるので、一概には比較できませんが、まずは共通テストのボーダーラインで難易度を比較してもらうと良いと思います。
あと、東京医科歯科大学では総合型選抜はありませんが、学校推薦型選抜は各学部・学科実施されています。全学部とも共通テストが必須で、かつ内申点・評定平均も必要です。例えば、医学部医学科で4.7以上、看護学専攻で4.3以上とかなりのレベルを要求してきます。
東京医科歯科大で後期日程があるのは医学部医学科と検査技術学専攻、あと歯学部歯学科のみ
以上、
東工大、医科歯科大の入試要項、入試結果に関してみてきました。いずれにしても来年2025年度からは東京科学大、Institute of SCIENCE TOKYO、というこのロゴマークも決まりましたけど、この大学へとそれぞれ入学することになります。理学系、工学系もちろん医学部医学科、歯学科、保健衛生学科など色々ありますけども、いずれにしても東京科学大の学生、あるいはそのあと卒業生となっていくわけです。これからどうなっていくか、大学自体もそうですし、入試についてもゆくゆく変更があるかもしれません。ただ、翌2025年はこういった形で入試が実施されますので是非参考にして、東工大・医科歯科大そして東京科学大を志望されている方はぜひ頑張っていただければと思います。