2011/04/22 金

映像授業の活用法

塾・予備校はもちろん、学校の補習等でも「映像授業」がかなり普及してきました。当塾でもこの春から映像講座を個別指導の1コースとして導入しました。ここでは映像授業の長所・短所と活用法について述べます。

<長所>
1、高速学習が可能(特に基礎レベル)
2、特にハイレベルな講座や志望校別講座を自分のタイミングで受講できる
3、有名講師(or実力派講師)の授業を受講できる

その他、時間曜日が選べたり(あるいは自宅で受講できたり)など、受講スタイルの“個別的メリット”については省略しますが、上記3点のうち、特に1と2は一般的な学習上のメリットだと思います。

<短所>
1、理解の確認の精度が低い
2、リアルタイムで疑問解決ができない

大きく言うと、この2点です。特に1について言うと、受講生が「わかった気になりやすい」ことが多く、それにもかかわらず、付属している確認テストでは、実際の理解度を測りにくいものです(理由:テストの作り方や受けるタイミングの問題)。

<活用時の留意点>
まず目的を明確にすること。「どの科目のどの講座をどういう意図で利用するのか」を考えてみましょう。
たとえば、「数学が志望校レベルに達していないから、○○大学数学講座を受講する」という安易な選択では、もしかすると、まったくついていけず、疑問点の質問もできなくて“袋小路”ということもありえます。そこで大切なことは、質問出来る人を別途確保するとか、併行して、基礎~標準レベルの問題集を自分でやるなどのひと工夫です。

よく予備校のチューターさんに「今の学力がこれくらいだから、まずは基礎レベルの講座を受けて、次に中級レベルを受けて、その後志望校レベルを受けて」と言う人もいますが、映像を見るだけが受験勉強の方法ではないですし、費用や時間面での効率を考えるとナンセンスだと思います。

次に理解の確認を疎かにしないこと。先にも触れましたが、受講後すぐの確認テストだけでは理解度は測りにくいもの。システム上可能であれば少し期間をあけて再度確認テストを受けたり、あるいは別の手段で理解の確認をする(例:別の問題集で類題を解いてみる)など、やはりひと工夫が必要です。

最近では、添削指導つきの映像講座もあるので、そういうサービスを利用することも重要です。ちなみにうちの塾であれば、別の確認テストや添削指導を取り入れて、自己採点や機械的な採点以外のチェック手段を挟み込みます。

<まとめ>
よい先生・講師の授業を受けたからといって必ず成績が上がるわけないことは言うまでもありません。これは映像授業でも同様です。さらに映像授業の場合、その講師の側から直接的な介入(個人的なアドバイスや理解度チェック)は一切ないわけです。 *個人的には、<映像授業=一方通行的な集団授業+個別指導的な受講スタイル>だと考えています。

つまり映像授業をうまく活用できる人は、主体性や受講に際して明確な目的をもっている人、すなわち、自分でも勉強出来る人です。もしくは、映像授業に際して、第三者(例:チューター等)の介入がある環境で、理解の確認やカリキュラム・学習法のアドバイスをしてもらうことが条件となります。

実際、東大合格者で映像授業を活用していた人は、限られた科目・講座数しか利用していない場合が多いようです。もちろん人によって状況も違えば、目標も違いますが、映像授業こそ、「どう活用するか」を考えて受講すべきだと思います。受講のタイミングや講座のレベルの選択、そしてその他の手段との組合せを考えながら。

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