明治大学理系3学部(理工・農・総合数理)入試科目&難易度比較
明治大学理系3学部の入試科目、難易度比較ということで解説していきたいと思います。
まず、キャンパスについて確認しておくと、明治大学には、和泉キャンパス、中野キャンパス、駿河台外キャンパスがありますが、これらは文系が通うキャンパスで、理系学部は生田キャンパスが理工学部と農学部が配置されています。また、中野キャンパスには総合数理学部と国際日本学部があります。
入試方式についても確認しておきます。明治大学は①全学部統一日程入試、②学部別入試、③共通テスト利用入試の3つの方式を用意しています。
では、改めて明治理工3学部を見ていきましょう。これは学部別入試の科目と配点をまとめた表です。
まず、理工学部は2/7に試験があります。英語、数学Ⅲ、理科1科目の3科目で120点ずつになっています。
農学部は2/15に試験があり、英語が必須で、残り2科目を選択し、3科目で150点ずつの配点です。なお、食料環境政策学科は文系型入試でも大丈夫です。
そして、総合数理学部は、2/17に試験があります。英語と数学の2科目受験で、数学の配点が6割を占めるのでかなりのウエイトを占めます。
明治理工2024年度入試の注意点としては、上智大学理工学部がこれまで同日の入試だったのが、2/11に移動になったため併願が可能になったことが挙げられます。
次に2/5実施の全学部統一入試を見ていきます。
理工学部は数学2種類で2科目とし、合計4科目という扱いで、結果的に数学2科目で配点の半分を占めるので、数学重視といえます。
農学部は学部別入試と似ていますが、理科が必須で数Ⅲが不要で、結果3科目になります。
総合数理学部は3科目方式と4科目方式に分かれており、3科目方式は文系型で英語と国語と数学が入試科目です。4科目方式は理工学部と同じ科目ではありますが、英語と理科の配点が少し高くなっています。
なお、全学部入試は試験科目さえ合えば、複数学部併願が可能です。総合数理出願者のうち3,4割が理工を併願しています。
全学部統一入試と同日に実施される英語外検利用入試は併願可能です。ただし、理系に関しては理工学部での実施はなく、農学部と総合数理学部のみでの実施となります。
農学部に関しては全学部入試と配点は同じです。得点換算については記載の通りです。競争率が高く、合格最低点も高いので2級程度では出願は厳しいです。昨年度の全学部と英語外検の併願率は約20%です。
一方、総合数理学部はそもそも英語の配点が低いので、数学と理科の勝負になります。こちらも併願率は11%と低めです。
一旦、理工学部と総合数理のみで学部別入試と全学部入試でまとめました。
理工学部では全学部の方が数学重視となっています。
一方、総合数理では学部別の方が数学重視となっています。ただし、全学部でも数学の配点は4割を占めます。
次は、学部別入試の出題傾向について科目別にまとめました。
理工学部は私立にしては珍しく、英語において記述式で和訳や英訳があります。
総合数理学部は数学が大問5題で構成されており、後半2題が記述式で、難解な問題も出題されます。
農学部に関して、数学は問題数が多いですが数Ⅲがないので他と比べると取り組みやすいです。英語は一部単語の書き取り問題があるのと発音アクセント問題が出題されます。
ここからは学科別に難易度を見ていきます。
まず、全学部入試から見ていきます。難易度の高い方を赤色、低い方を青色にしています。合格最低得点率が最も高いのは情報科学科、続いて応用科学科、建築学科となっています。
学部別入試を見ていくと、やはり情報科学、建築学科、物理学科、機械情報工学科の順になっています。明治理工偏差値帯は50~60くらいです。なお、東京理科大の偏差値帯は55~62.5、中央理工50台後半です。
一方、農学部ですが、理工学部と比べると科目選択の幅が広いので事情が異なりますが、全学部入試の偏差値帯が高めに出ています。おそらく、これは全学部入試で農学部を併願で選ぶ人が多いゆえの現象だと考えられます。そのため、合格最低点は決して低くなく、英語外検利用では合格最低点が8割と、さらに高くなっています。一方で、学部別入試としては、生命科学科の偏差値が60と最も高くなっています。
次に総合数理学部を見ていきます。学部別入試のほうから見ていくと、偏差値は3学科とも60であり、これは理工学部の人気学科である情報科学科や建築学科と同じになります。その中でも先端メディアサイエンス学科が最も難しいです。
全学部入試では4科目方式に注目すると、やはり先端メディアサイエンスが最も人気あります。先端メディアサイエンスは明治理系で最難関学科になります。
ここで学部間の併願状況を見ていきます。
全学部入試の方での注目点としては、農学部と総合数理学部でそれぞれ英語外部検定利用をどれくらい併願しているかということです。農学部では併願者が254人、一方で3科目方式の出願者が1273人なので、約20%の人が併願していることになります。次に総合数理学部の場合は、4科目方式の出願者が881人、英語外検利用の併願者が125人なので約14%の人が併願しています。
また、全学部入試での学部間の併願状況をみると、総合数理学部4科目方式出願者のうち約5割が理工学部を併願しています。
一方、学部別入試では、総合数理学部と理工学部の併願者を見ると、総合数理学部4科目方式出願者のうち、約32%が併願しています。
前期日程に絞ると上の黒字の部分になります。理工学部は3教科型と4教科型で、国語が入るかどうかの違いです。
農学部は数学が選択科目で、国語が必須。総合数理学部は国語必須で、理工学部の4教科方式、つまり5教科型と同じで科目配点も同じになります。
ちなみに明治大学の場合、英語の配点比率は全学部ともにリーディングとリスニングの配点が1 :1になります。
ボーダーラインとしては、理工学部の4教科型、つまり5科目型は8割前後から8割台の前半で、3教科型はそれよりやや高いぐらいです。農学部は7割台半ばぐらいです。総合数理学部は80~85%です。
まとめに入ります。以下が要点です。
1.理工学部と総合数理学部の併願 特に全学部統一入試での併願
→総合数理学部の学部別入試に理科がなかったり数学の配点が高かったり、理工学部の英語の出題傾向を踏まえて、検討すべきです。
2.農学部は数Ⅲなし、さらには数学なしでも受験可
3.全学部統一での英語外検利用(農・総合数理)はお得度が低め
4.共通テスト利用は4~5科目なので国語を受ける人におすすめ
5.2024年度入試の予想
→理工学部の学部別入試については、上智理工と日程がわかれるので、上位層のすべり止めとして選ばれる可能性も高いような気がします。
こちらの動画でも詳しく解説しています。↓