早稲田大学に合格るために
早稲田大学は私大の雄として長く受験生の人気を集めています。今年も志願者10万人ということでかなりの人数が受験しました。
私大専願で第1志望を早稲田とする人、国公立大の併願として受験する人、色々ありますが、ここでは早稲田に合格るために何が必要かを考えてみます。
今年、当塾に早稲田志望(文系・世界史選択)の生徒がいました。合格体験記にも掲載しているのでそちらもご覧いただきたいのですが、昨年度は早稲田合格が叶わず別の大学に通いながら受験勉強を続けました。平日は大学に通っているので予備校には通わず、大学の授業後に受験勉強をするわけですが、春から10ヶ月ほどをかけていかに早稲田合格の実力をつけるかを考えたとき、前半は主に国公立型の学習をしてもらうことにしました。英語・国語・世界史ともに記述型や論述型の教材を中心に、たとえば国語は『上級現代文(桐原書店)』であるとか、『最強の古文(Z会)』『漢文得点奪取(河合塾)』など。英語では『英文読解の着眼点(駿台)』『一橋大の英語(教学社)』、世界史は『詳説世界史研究(山川出版)』や『東大の世界史(教学社)』など。意図は「なんとなく選んで正解」のレベルにとどまらないしっかりとした地力を養成するためで、より論理的に確実に正答を導き出し、かつ暗記の精度を上げるためにも有意義だと考えたからです。
また彼は某大学の英文学科に在籍していたため、こちらの指示がなくとも英文の精読や多読に十分すぎるほど取り組み、また自ら考えて源氏物語を講読するなど、こちらの提案以上のことにも取り組んでくれました。
それから秋以降は徐々に実戦的な学習に移り、赤本で過去問演習に取り組みます。まずは自分が受けない学部(早稲田)や慶應の過去問(慶應は非受験)などを中心に取り組み、時期が迫るにつれて実際に受験する学部の過去問の比重を増やしていきました。過去問演習のセオリーとして、受験する大学・学部の過去問をできるだけたくさん解くということは周知のとおりですが、実は、科目に依らず受験しない学部や同レベルの他大学の過去問演習はためになります。万が一、入試本番の出題傾向が変わってしまうことも想定しての対策を兼ねてのことです。
あと模試についてですが、秋に実施される「早慶レベル模試(河合塾)」や「早大プレ(代ゼミ・駿台)」を受けることはもちろん、先述の学習プランの成果を測るため、あえて国公立記述向けの「駿台全国模試」を受けてもらいました。実際の入試問題とはギャップがありますが、「早稲田に確実に受かるためには東大や一橋志望者と競い合う気概が必要だ」ということも伝え、難しい模試にもチャレンジしてもらいました。
上記のような流れで彼は早稲田大学の文系学部・歴史選択での受験を見事に成功してくれました。ここでまとめておくと、早稲田に合格るために必要なことは、
1,小手先の学習にとどまらず記述や論述の学習方法を採り入れること
2,記述式の模試を受けること
3,受けない大学や学部の過去問にもふれること
4,東大や一橋大志望者と競い合う気概をもつこと
少々欲張りではありますが、これくらいのことを実践してくれれば私大専願でも早稲田大学に合格る可能性が随分上がると思います。