2022/11/23 水

慶応大学過去問分析=経済学部・文学部【英語】

経済学部

配点:420点中200点 試験時間:100分

問題構成:大問5個

概要:マークシート法による選択式と記述式の併用で、読解問題がマークシート法、英作文が記述式となっている。大問Ⅰ~Ⅲが読解問題、ⅣとⅤが英作文問題である。大問Ⅰ~Ⅲのマークシート法の部分が一定の点数に達しない場合、記述式であるⅣとⅤが採点されないと明記されている。

Ⅰ~Ⅲ 長文読解。大問ⅠとⅡでは700~800語の文章、Ⅲではそれよりもやや長めの900~1000語の文章が出題される。合計すると、2500語程度となり、後に控える英作文問題を考慮すると時間的余裕はなく、素早く正確な読解が要求される。文章の主題は社会論が多いが経済論や法律論も見受けられ、総じて現代社会でよく議論になる問題を扱う内容が多い。ⅠとⅡの文章は同じ主題を扱うものの立場が異なるものである場合が多く、例えば2019年度はⅠで「ツーリズムが与える否定的な影響」、Ⅱで「ツーリズムのもたらす肯定的な影響」を主題として扱った。設問形式は文章中の空所補充が多いが、もちろん全体の理解がおろそかになってよいわけでは無く、各記述に対して筆者の賛否を問うような、文章の内容を正確に理解していないと解けない問題が出題される。また、特定のパラグラフの主題を問う問題やアクセント問題や語句整序問題も出題される。読解力のみならず、語彙力・文法力も問われるため、総合力が試される。加えて読解においては、文章全体を把握して筆者の主張を正確に抑えるマクロな視点と各パラグラフや空所前後の流れといった細かい部分を抑えるミクロな視点のふたつが必要である。

Ⅳ,Ⅴ 英作文。Ⅳは会話文の和文英訳、Ⅴは自分で選んだ主題に対する意見を書く英作文である。Ⅳは短い会話を丸ごと英語に直す問題であり、日本語の表現をうまく英語に翻訳しにくい場合がある。注意点として書かれていることでもあるが、そのような時は、別の言い方に変えてから英語にする作業が必要となる。Ⅴは2つの設題からどちらか好きな方をひとつ選び、自身の意見とその理由を書く。150語程度の語数が求められる。①自分の意見と異なる見解に言及し、それに反論すること、②問題文Ⅰ~Ⅲの文章で言及されている見解や事柄を最低一つ引用することのふたつが注意点として挙げられている。それゆえ、英作文のテーマはⅠ~Ⅲで出題された長文に関連するものとなっている。ⅣとⅤに共通する点であるが、細かい減点を防ぐために自分の熟知している表現でミスなくまとめるようにしたい。

 

文学部

配点:350点中150点 試験時間:120分

問題構成:大問1個

概要:選択式2, 3問を除けばほぼ記述式の問題である。大問は長文1個で、設問数は8, 9問。それゆえ、一問ごとの点数が大きい。設問は英文の前に提示されている。辞書を2冊まで持ち込むことが許可されているという特徴がある。

Ⅰ 長文読解。2000語程度の極めて長い文章が一題だけ出題される。文章の主題としては、社会系、文科系、心理学系の内容が多い。アカデミックな内容やエッセー風の文章である場合もあり、その長さも相まって、文章を理解するのに苦労することも少なくない。設問形式としては、選択式で空所補充問題が出題される他、記述式で字数制限付きの内容説明問題や英文和訳問題和文英訳問題がある。設問(Ⅶ)や(Ⅷ)で出題される、100字以上120字以内の内容説明問題は特に実質的に要約を求めるような設問であり、英文全体の要点を正確に抑えつつ読みやすい文章で簡潔にまとめる表現力・国語力が求められる。3題ほど出題される英文和訳問題も、逐語的に英語から日本語に置換するだけでは意味が取りづらい文章が出来上がってしまうことがあるため、自然な日本語に変換する読解力・表現力が重要である。最後に出題される和文英訳問題は標準的な問題で、文章中にある表現・フレーズをそのまま使用することも可能。適切な単語が思い浮かばなかった場合、和英辞書を使うことができるが、その際はもう一度英和辞書でその単語の語法を確認しておくと思わぬミスを減らすことができる。文学部の試験では、辞書の使用が許可されているとはいえ、文章を読み進めていく中で未知の単語に遭遇するたびに逐一辞書を引くほどの時間的余裕はなく、またそのようなことをしていると、辞書を引く前と後で断絶が生まれ、長文の論旨を見失ってしまうといったことも起こりうるため、直接設問に関わってくる単語や文章理解の鍵となる重要単語のみを調べるのが良いだろう。電子辞書の持ち込みは認められていないため、普段から紙の辞書に慣れておくことも必要である。

 

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