2022/11/30 水

慶応大学過去問分析=法学部・商学部【英語】

法学部

配点:400点中200点 試験時間:80分

大問構成:4個または5個

概要:全てマークシート法による選択式問題である。長文読解や語彙、発音、語彙、会話文が独立した大問で出題される。出題形式としては例年似たような問題が出題されているものの、毎年微妙に形式が異なっており、「必ずこの大問ではこの形式の問題が出題される」といった所謂傾向はⅣかⅤで出題される読解問題以外はほぼ無く、Ⅰ~Ⅲ(Ⅳ)の中で発音、語彙、会話文、(文法)が出題されるといったような形式になっている。以下では2022年度の問題形式に従って各大問について述べていくが、年によっては語文訂正(2019)や誤り指摘(2016~2018)、発音(2017,2018,2020)といった問題が大問で出題されたこともあり、幅広い知識や総合的な英語力が試される設問となっていると言えるだろう。

Ⅰ 語彙問題。ふたつの単語を組み合わせて別の単語を作るという問題で、2021年度からの新たな形式である。問題形式は特殊だが求められている知識は決して高いものではないため、冷静に選択肢を吟味することを心がけるのが良い。

Ⅱ 読解・語彙問題。300語程度の英文を読み、下線部の単語の定義を選択肢の中から選ぶ問題。例年出題されている。文章の主題は社会論が多いが、文化論や小説が出題されることもあり、多岐にわたる。下線部の単語は極めて難しいものばかりだが、文章の流れや接頭辞・接尾辞から推測することで答えを導き出せる。選択肢にある定義を名詞・動詞・形容詞のように品詞ごとにあらかじめ分類しておくと選びやすくなるだろう。

Ⅲ 会話文問題。選択肢の中から空所に当てはまる単語を選ぶ問題。会話表現やイディオム、諺を完成させるものとなっている。会話の流れを正確に把握しなければ正解を得られない空所も多い。難しい表現や馴染みのないイディオムを答えさせるものであったとしても、消去法などで答えを導き出す粘り強さも時には必要であろう。

Ⅳ 会話文問題。Ⅲの会話文問題とは形式が異なり、インタビュー形式の会話文である。質問とそれに対する応答の適切な組み合わせを作る問題で、キーワードを押さえつつ正確に文章を把握しなければならない。ひとつ組み合わせを間違えると連鎖的に他の部分も間違えてしまうため、慎重に選択することが求められる。

Ⅴ 読解問題。800~900語の長文。主題は社会論が多く、時事問題、社会問題、法律関係の内容は頻出である。問題の形式は多様で、パラグラフごとの内容理解を問う問題や同意表現を選ぶ問題、空所補充、語句整序、タイトルを選ぶ問題、不要な文章を指摘する問題など。2022年度は、最後のパラグラフが丸ごと空白となっており、その空所補充として文章の整序問題が出題された。文章の論理の流れの理解と一文ごとの繋がりを把握しなければ解けない問題である。本文の内容に適合しない選択肢を選ばせる問題も含まれており、問題文をしっかりと読まなければ不用意なミスを生んでしまう。また、紛らわしい選択肢も含まれているため、選択肢自体の精読も必要である。英文には難単語も多く含まれるため、基礎的な単語を固めておくことは勿論、未知の単語に遭遇しても根気強く文脈を辿り続ける力も要求される。

 

商学部

配点:400点中200点 試験時間:90分

大問構成:7個または8個

概要:マークシート法による選択式と記述式の併用。記述式は空所補充形式の単語を書かせるものであって、英作文といった長い作文を求められるわけではない。大問は読解問題が中心で、文法・語彙問題の独立した問題は1題のみである。大問Ⅰ~Ⅲは500~900語程度の文章の読解で、Ⅳが文法・語彙問題、Ⅴ~Ⅶ,Ⅷは200語程度の文章内にある空所を補充する問題となっている。

Ⅰ~Ⅲ 長文読解。500~900語程度の文章を読む。3つの大問の単語数は合計すると2200語を超える。読解量が多くなるため、素早い読解が要求される。文章の主題としては、社会論が多い。問題形式としては、まず空所補充問題、続いて内容理解を問う問題が出題される。そこでは下線部の内容説明問題や内容真偽、主題を選ばせる問題が出されている。また、特定のパラグラフの内容理解を問う問題も出題されるため、段落ごとの文章の把握と文章全体の一貫した筆者の主張の把握が必要である。「~を除いたもの」や「当てはまらないもの」を選択する問題もあるため余裕のない中でも慎重に問題文を読むべきである。

Ⅳ 文法・語彙問題。短文内の空所に当てはまる語句を選択する一般的な文法問題の形式。動詞を選ばせる問題が多く、英単語・英熟語の知識と基礎的な文法知識をしっかりと固めておかなければならない。難易度としてはやや簡単~標準的と言えるため、なるべくミスを減らしたい。

Ⅴ 読解問題。200語程度の英文を読んで、文章中にある空所に当てはまる単語を選択する。基本的に文章の流れの理解と単純な英単語の知識が必要となるが、中には文法の知識を問う問題もある。しかし、文章さえ理解できれば空所補充はそこまで難しくないだろう。

Ⅵ 読解問題。短い文章1文につき全体の理解を問う内容説明問題が1題出題されるという形式の小問が複数並ぶ。中には内容が読み取りづらく、選択肢を絞るのが難しい問題もあるが、基本的には標準的な難易度の問題が多い。

Ⅶ,Ⅷ 読解問題。どちらも200語程度の文章の中の空所補充問題で、Ⅶは与えられた動詞を適切な形にして答える問題、Ⅷは与えられた動詞を名詞形にして答える問題である。記述式であるため、名詞形に変える問題の方は特にスペルミスに気を付けなければならない。動詞を適切な形にする問題で選択肢となる単語は基礎的なものが多い。単数や複数、時制などの文法事項に注意してミスの無いようにしたい。

 

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