慶応大学2022入試結果分析と文系科目出題傾向
先日YouTubeで『数学なしで慶應義塾大学文系学部に合格する方法』という動画を公開しましたが、そこで使っているデータをまとめておきます。
募集人員 | 受験者数 | 合格者数 | 補欠者数 | 実質倍率 | |
文学部 | 580 | 3849 | 1010 | 300 | 3.8 |
経済A(数学) | 420 | 3383 | 856 | 264 | 3.0 |
経済B(歴史) | 210 | 1905 | 380 | 130 | 3.7 |
法/法律 | 230 | 1633 | 330 | 48 | 4.3 |
法/政治 | 230 | 1190 | 289 | 49 | 3.5 |
商A(数学・地歴) | 480 | 3716 | 1434 | 376 | 2.0 |
商B(論文・地歴) | 120 | 2707 | 316 | 185 | 5.4 |
*補欠者数はいわゆる「許可者」ではなく「発表者」を指します。また実質倍率=受験者数÷(合格者数+補欠者数)とします。
上記表からわかることは
1,各学部、意外と実質倍率が高くないこと。
2,経済学部と商学部においては数学選択(A方式)の方がB方式とり倍率が低いこと。
ちなみに動画では扱っていない学部についてもまとめておくと以下の通り。
募集人員 | 受験者数 | 合格者数 | 補欠者数 | 実質倍率 | |
医 | 66 | 1179 | 134 | 119 | 4.6 |
理工 | 650 | 7324 | 2286 | 523 | 2.6 |
総合政策 | 225 | 2731 | 436 | 129 | 4.8 |
環境情報 | 225 | 2450 | 360 | 111 | 5.2 |
看護医療 | 70 | 601 | 152 | 55 | 2.9 |
薬/薬学科 | 100 | 1292 | 279 | 83 | 3.5 |
薬/薬科学科 | 50 | 726 | 209 | 77 | 2.5 |
また合格最低点について前者の方だけまとめておくと *合格最低点は正規合格者の最低点
英語 | 地歴/数学 | 小論文・論文テスト | 合計 | 合格最低点 | |
文学部 | 150 | 100 歴史 | 100 | 350 | 218(62%) |
経済A(数学) | 200 | 150 数学 | 70 | 420 | 209(49%) |
経済B(歴史) | 200 | 150 歴史 | 70 | 420 | 239(56%) |
法/法律 | 200 | 100 歴史 | 100 | 400 | 239(59%) |
法/政治 | 200 | 100 歴史 | 100 | 400 | 236(59%) |
商A(数学・地歴) | 200 | 100+100 | ― | 400 | 240(60%) |
商B(論文・地歴) | 200 | 100 地歴 | 100 | 400 | 302(75%) |
ここで注目は商学部B方式の最低点の高さです。
さてここから科目別に配点と出題形式・出題傾向をまとめておきます。
<英語>
配点 | 出題形式 | 受験者平均点 | 難易度・分量 | 英作文・その他 | |
文学部 | 150(42.8%) | 記述式中心 | 49% | 超長文1題 | 和文英訳
辞書持込可 |
経済B | 200(47.6%) | 選択・記述式 | ―
*2段階採点 |
長文3題は選択式 | 和文英訳
自由英作文 |
法学部 | 200(50%) | 選択式 | 56% | 標準~難レベル | 英作文なし
会話文・発音問題あり |
商B | 200(50%) | ほぼ選択式 | 55% | 易しめ | 英作文なし
文法語法・語彙問題が多い |
総合政策
環境情報 |
200(50%) | 選択式 | ― | 超長文2題のみ
難レベル |
英作文なし |
*受験者平均点は2022年度のもの(公開分のみ)
ここからわかることは慶応大学の文系学部は英語の配点比率が総じて高いこと。特に法学部・商学部・SFC。
<小論文>
出題形式・名称 | 配点/合計 | 難易度・特徴 | |
文学部 | 小論文 | 100/350(28%) | オーソドックス
要約と意見論述 |
経済学部 | 小論文 *横書き | 70/420(16%) | 社会科学系
記述量少なめ |
法学部 | 論述力テスト | 100/400(25%) | オーソドックス
要約と意見論述 内容が硬め |
商学部B | 論文テスト | 100/400(25%) | 短答式のため記述量が少ないが論理思考力を要する |
総合政策
環境情報 |
小論文 *横書き | 200/400(50%) | 資料が多く記述量も多い。
本格的な準備・対策が必要。 |
配点比率が大きい順に、SFC>文>法・商B>経済 となります。
尚、過去21年分の学部別小論文の出題テーマをまとめた表があります。ご参考まで。
<地歴>
選択科目 | 配点/合計 | 難易度・特徴 | |
文学部 | 日本史・世界史 | 100/350(28%) | 日本史…記述式多め、論述問題(100字)あり
世界史…記述式 |
経済学部B | 日本史・世界史 | 150/420(35%) | 日本史…記述式多め、論述問題あり、1600年以降
世界史…記述式多め、論述問題あり、1500年以降 |
法学部 | 日本史・世界史 | 100/400(25%) | 日本史…マーク式、難、範囲制限はないが近世以降多め
世界史…マーク式、難、範囲制限はないが現代史多め |
商学部A・B | 日本史・世界史・地理 | 100/400(25%) | 日本史…マーク・記述式・小論述、範囲制限はないが近現代多め
世界史…マーク・記述式・小論述、範囲制限はないが近現代多め 地理…マーク・記述式・小論述、易しめ |
法学部は日本史・世界史ともにマーク式(選択式)ばかりですが、難易度が高いです。
その他の学部は、比較的記述式、論述式も出題されますが、難易度はさほど高くありません。そして文学部をの覗けば比較的新しい時代からの出題が多い傾向にあります。
商学部は地理の選択も可能で、難易度としては易しめと言えます。選択可能な場合は狙い目です。
その他YouTubeでは併願情報(学内・学外)や成績の目安、対策方法なども詳しく説明しています。ぜひそちらでご確認ください。