2022/03/05 土

2025年度共通テスト変更点(その3「情報」)

2025年度(現中3生受験時)から指導要領改訂に伴い共通テストの科目割が変更になる件について、第3弾は最注目の「情報」です。

まず現在でも「情報」という教科は高校であるわけで、「社会と情報」「情報の科学」という名称で扱われています。それが新指導要領下で「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」という科目に再編されます。*「情報Ⅰ」が必修

情報Ⅰとは・・・

1「情報社会と問題解決」

2「コミュニケーションと情報デザイン」

3「コンピューターとプログラミング」

4「情報通信ネットワークとデータの活用」

このような章立てで構成されており、「メディアの特性やコミュニケーション手段について理解し、情報デザインの考え方や方法を理解し表現する技能を身に付ける」とされています。ちなみに「情報Ⅱ」では「情報Ⅰ」の内容をさらに深掘りし発展させていくと考えられますが、ここで「情報Ⅰ」に絞って話をしていきます。

前置きをさせていただくと私自身は情報の専門家でもないですし、習ったこともありませんが、文科省の資料や共通テストのサンプル問題などから推測を含めて述べさせていただきます。

共通テスト/情報サンプル問題こちらから

まず一つ目のキーワード「情報デザイン」(上記2にも記載)について理解する必要があります。端的に言うと「情報を目的に応じて再構成し、わかりやすく伝わるように組み立てること」です(あるいはその仕組み自体)。たとえばWEBページの構成や表現法、あるいはインターフェイスの機能性などが挙げられます。

続いて「プログラミング」について。実際に上記項目3で学ぶことが規定されています。どの程度詳しく学ぶか、あるいはテストとしてどのように出題されるか、ここがいま一番気になる点ですが、サンプル問題としては大問3つのうち第2問がまるまるプログラミングに充てられています。入力するコードや数値を答えさせる問題です。それを踏まえると、プログラミングの基礎的な知識と問題演習が相応に必要となりそうです。

次は「数学的・統計的思考」について。今回の「情報」には数学的・統計的要素が含まれています(上記章立ての4に相当)。特に数学でいうところの「データの分析」(数Ⅰ)です。相関係数、分散や標準偏差などの知識が前提になっています。サンプル問題でいうと大問3がそれにあたります。ここではマーク式の答えさせ方も数学と同様に数値のマークになっています。

最後に「情報リテラシー」について。上記章立てでいうと1と2にあたるところです。簡単に言うと、情報モラル、情報技術やネットワークを活用する上での知識、デジタルの概念などが主な内容です。サンプル問題では大問1に相当します。主に知識や考え方を答えさせる内容ではありますが、デジタルにおけるビット数を理解するために2進法が用いられるなど数学的要素が若干含まれています。

 

ざっとこのような感じで私自身は理解し分析しました。

さて問題はここからで、

A)この指導要領下における実際の指導がどうなるか

B)大学入学共通テストでどのように出題されるか

C)大学別の対応として「情報」がどのように扱われるか

です。特に気になるのがCについてです。先日(2022年1月)の報道によると「国立大学協会は28日の総会で、2025年の大学入学共通テストから、国立大入試では原則として新教科『情報』を課すと正式に決めた」とのことで、冒頭に申し上げた通り「情報Ⅰ」は国立大学を受ける際に必須となります。ただし、配点や扱いなどを含めてはまったくの未定です(浪人生は別の問題で対応予定)。話は変わりますが、英検も大学によって扱いが変わります(一時期の必須化の段階でも大学によって配点や扱いが異なりました)。また一部の大学では課さない可能性もあります(たとえば東京外語大などが予想される)。そこで危惧されているのが、受験生の負担増および地域間や学校間での指導環境の格差です。そのことを鑑みると、たとえばテストの難易度を易しくしたり、配点や扱いを低くしたりなど、そのような措置も考えられます。またBについても「サンプル問題」の通りとは限らず、もう少し知識よりの配分になる可能性もあるように思います。

まだまだ不透明な部分が大きい「情報」の扱いについて。今後も注視していきたいと思います。

 

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