2021年度大学入試英検利用の動向
2021年度入試から「大学入学共通テスト」の導入とあわせて目玉だった「英語外部検定の必須化」は見送られたものの、特に私立大学での英検利用については従来からの変更が多く見受けられます。
たとえば、上智大学のTEAP利用のように、英検を出願資格から得点換算型の利用に変更したり、またこれまで英検の合格級で出願資格や得点換算をしていたところが減り、スコア(得点)で評価するところが増えたことも特徴です。現状、合格級とスコア基準のいずれかを採用しているかは大学・学部によりますが、ひとつ要注意なのが、以下のような場合。
スコア基準に受験級制限が加えられている場合(例:中央大学など)
例1)準1級を受検しスコア2100を取得(準1級不合格)・・・利用可
例2)2級を受検しスコア2200を取得(2級合格)・・・利用不可
このようなケースもあります。
それから立教大学は文学部を除き、英語は共通テストの得点か英語外部検定をスコアを利用することになっていますが、英検やTEAPなど複数の検定のスコアを提出できることになっています(得点換算の基準は非公表)。
ここで一般的な各検定の利用方法についてまとめておきます。
ア)TOEICなど今まで2技能で出願できていた大学も4技能必須になったところが増えた。かつ4技能ごとの最低点を設定するところが増えた。
イ)大半の大学において、異なる実施回のスコアを組み合わせることが不可となった(例:上智TEAP利用)
ウ)TEAPはCBTを利用不可の場合があり。
エ)GTECはCBTのみ利用可のところが多い。またGTECは毎年大学ごとの基準点が変わりやすいの要注意。
オ)CEFRを得点基準として設定する大学の出現(例:上智/学部学科共通テスト併用型および単独利用型/どちらも加点方式)。
今後の傾向として、
カ)全面的に4技能が必須になるところが増えそう。
キ)TOEICは利用しづらくなりそう。*2日間でR/LとW/Sを別途受ける必要あり、また共通テストへの参加も辞退した経緯もある。
ク)英検は合否よりもスコアを重視しているところが増えているため、1日で4技能のスコアが出るCBTタイプが便利で今後主流になりそう。
ケ)対策のしやすさかや馴染みやすさを考慮すると、今後も英検(実用英語検定)の利用者が大半を占めそう。
ちなみに英検のCBTやS-CBTをこれから初めて受検する方もいると思います。4技能の試験の順番は
1、スピーキング 2、リスニング 3、リーディング 4、ライティング
です。特に最初のスピーキングについては事前練習をするなどして心構えを整えておきましょう。