2021/01/23 土

2021大学入学共通テスト本試の結果と影響

2021年度、記念すべき初の大学入学共通テストの第1日程(いわゆる本試)が無事に実施されました。

出題傾向としては概ね試行調査等を踏まえて予想をされていた通りだったのではないでしょうか。知識を直接的に問うものが減り、日常生活に応用させたかたちや、アクティブラーニング型・問題解決型を意識させるもの、資料やグラフを交えたものなどが特徴的で、読解力や推察力、思考力などを試すような作問意図が垣間見れました。

とはいえ、当初の予想より全体の平均点は下がらずにむしろ上がり(コロナ禍の影響で推薦内定者の受験自粛の影響もあり?)、問題の難易度が抑えられた印象です。

*中間集計時点

国語・・・116点(昨年度119点)

英語R・・・60点(昨年度58点)

英語L・・・57点(昨年度57点)

数1A・・・59点(昨年度51点)

数2B・・・62点(昨年度49点)

一方で、理科と公民については科目間の得点差が生じて得点調整となりました。共通テスト初年度なので致し方ない面もあるかもしれません。

さて、事前に懸念されていた、問題の難化による得点分布の二極化については杞憂に終わったというか、平均点が昨年までと同等だったということもあり、典型的な“山”のかたちのようです。ただし、高得点者(8割後半以上)の割合がやや減ったということです。これは物理・化学の難化の影響もあるでしょう。

<私大共通テスト利用への影響>

今年度は私大の入試制度変更が多くあり、たとえば上智大学と学習院大学は今回から共通テスト利用を導入しています。だいたいで言うと、上智が8割後半、学習院が8割前半のボーダーライン予想なので、一般入試の難易度に比例したものだと言えるでしょう。また従来から共通テスト利用を実施しているMARCHやその他の中堅大学等については、昨年度から一昨年度のバブル状態に比してボーダーラインが落ち着いてきた印象です。特に文系学部はボーダーラインが相当下がる傾向にあり、理高文低の傾向が顕著であること、それから東京都内の大学への出願回避も影響しているようです。ちなみに関西地方の大学については東京都内ほどは下がっていません。

<国公立大学出願への影響>

共通テスト全体の平均点が予想よりも高く、また得点調整も行われますので、全体的に強気の出願となりそうです。今年の浪人生については元々難関大志望者の割合が多いと思うので、そのような観点からも第一志望優先での出願動向となるのではないでしょうか。一方で私大とも共通していますが、コロナ禍による地元志向、あるいは上京回避の傾向もあります。公立大学などを含めて、中堅レベルの大学については難易度の上昇に要注意です。

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