2019年度大学入試小括(前半)
3月5日現在、2019年度私大入試の主な結果は一通り出ました。昨年2018年度に続き、私大の入学定員厳格化の流れが続き、いわゆるMARCHや東京理科大など難関2番手ランクの難化(合格者数は昨年度と同程度)、そしてさらに昨年度より難化したのは、成成明国武や日東駒専など偏差値50前半の3番手ランクであり(ちなみに日大は不祥事の影響もあり、その分が駒澤辺りに流れている模様)、さらに昨年2018年度の結果を踏まえた安全志向の流れから、女子大や理系単科大(東京電機大や東京都市大など)の出願者増を加速させました。これらの地すべり的な志願者および合格者の”流動“は昨年度からさらに顕著になっているようです。
実際にはMARCHや早慶上理を含めてですが、3科目(あるいは4科目)ともに手応え十分だったのに不合格だった、という声は少なくなく、いわんや1科目でも失敗しようなら合格は厳しい状況のようです。言い換えれば、苦手科目をそのままの状態で受験に臨んでも結果を出すのは難しいということになります。さらに言うと、配点が割と大きい“英語がめちゃくちゃできる“場合でも他教科をカバーしきれない。また、模試の判定でAをとっていたり、過去問演習で合格最低点をほぼほぼ上回っていても、決して安心できない、という状況です。
ちなみに今年はセンター試験が全体的にやや易化し、結果的にはセンター利用の計算が立ちやすくありました。昨年度の私大難化の傾向を踏まえて、センター利用を重視した人、センターがうまくいった人については、いわゆる“最低MARCH”はクリアできた人も少なくないと思います。やはり、私大専願の受験生も今後はセンター利用を戦略的に活用することがリスクヘッジとして有効だと思います。ちなみに英検利用を採用する大学はどんどん増えてきていますが、定員が少なく過去のデータも参考にしづらいためボーダーが読みづらく、リスクヘッジとしては今ひとつ心もとないです。ちなみに英検利用の新設によって従来の一般入試定員が減っていると考えれば、これも私大難化の一因と言えるでしょう。
さらにセンター利用について付け加えておくと、私大の多教科型へのシフトが徐々に始まっています。つまり国公立大志望者向けに”センター枠”を確保しておきたいと考える大学(特に2番手~3番手ランク)が増えてきています。
後半に続く