英検対策の弊害
4月になり新年度が始まりました。今年度は学習方法についてできるだけ書いていきたいと思います。
まず英語の学習方法について。まずは大きく分類します。
A)受験英語
B)検定英語
C)英会話
ここでは受験英語について語りたいのですが、昨今受験生でもB「検定英語」の比重が増えてきています。なかでも英検は根強く人気です。英検でハイスコアをとっておけば大学によってはかなり有利になります。ただ一方で、英検対策の弊害もあり、単語を覚えればなんとなく長文の意味がとれたり、聞き取れたりという部分で、文法や文構造が疎かになってしまいがちです。英作文についても採点が甘いのか、本来より文法に対する意識が醸成されにくくなってしまいます。
しかし英検準1級くらいになると、さすがに単語だけでなく文章自体が難しくなってくるので、“ごり押し”あるいは“力ずく”の学習方法が通用しなくなってきます。そのときに学習を見直せるかどうかも分岐点になります。
A「受験英語」という言い方をするとやや負のイメージが含まれてきます。暗記偏重や細かすぎる!など。ただここでいう「受験英語」の特徴は決して暗記偏重などではなく、文法や論理的思考に基づいているという点です。
語学としてとらえた場合、英語でも日本語でもフランス語でも中国語でも各単語には品詞の分類があり、そして文法がある。その前提で様々な運用や使い方があるわけです。大学の先生たち、特に問題作成者や採点者たちは言語の専門家ですから、言語そのものの理解度を測りたいので、そのような問題を作成します。記述式の出題が多い大学・学部や難易度の高い大学・学部を目指す場合は、ぜひそのことを前提に英語の学習を進めてもらいたいと思います。
もちろん英検対策に良い面もあります。特に中学生から高1くらいのうちに早め早めに英検に取り組むことで、語彙力をつけたり、先取りで文法を学んだり、リスニングやスピーキングに馴染んだりすることはとても有意義です。ただし文法や構文、精読など地道な「受験英語」もあわせて取り組むべきでしょう。