2023/11/18 土

明治文系学部/入試方式別科目配点・難易度比較

明治文系学部の科目配点・難易度比較、入試方式と併願について解説していきます。

 

まず、キャンパスの確認からですが、文系学部は、1,2年次は明大前の和泉キャンパス、3,4年生は千代田区の駿河台キャンパスになります。なお、比較的新しい国際日本学部は中野キャンパスにあります。

また、文系学部は全部で7学部ですが、農学部環境政策学科も文系受験可能です。また、全学部入試だと、総合数理学部も一応、文系受験可能になります。

明治大学の受験方式は3つに分かれており、A)全学部統一日程入試、B)学部別入試、C)共通テスト利用入試です。また、一部の学部では英語外部検定利用も行われています。以下の表は、2024年度の入試日程です。

文系学部の難易度を学部学科別、入試方式別にまとめました。

文学部を除く文系学部の学部別入試を見ると、ほとんどが偏差値60です。農学部の食料環境政策学科のみ、57.5となっており、どうしても明治に行きたい人向けの穴場学部になっています。

また、全学部入試を見ると、学部別入試よりも難易度が上がり、ほとんどが偏差値62.5です。食料環境政策学科も高いのは、併願先として選ばれているからだと考えられます。偏差値62.5はMARCHトップクラスです。

次に文学部を学科別にみていきます。まず、学部別入試で最も難易度が低いのはドイツ文学科の55.0、文芸メディアをはじめとしていくつかの高い学科は62.5です。全学部入試を見てみると、フランス文学科を除いてすべての学科で60以上。特に文芸メディアと臨床心理学は65と明治トップレベル、ひいては早稲田の教育や慶応の文学部と同じレベルになります。

 

ここからは、入試方式別に入試配点を確認していきます。

以下が学部別入試の配点です。

まずは、最上段の法学部を見ると、国語:地歴公民:英語が100 :100 :150になっており、これが基本です。ただし、文学部と情コミュはイーブンになっています。国際日本学部は、流石に英語の配点が200点と高いです。また、国語の古文漢文についてですが、古文は全学部で必須である一方、漢文で独立した大問があるのは文学部のみとなっています。

文学部や情コミュは地歴公民の比重が相対的に高く、差がつきやすいです。

 

続いて、全学部入試を見ていきます。

全学部入試は、問題は共通であるものの配点は学部で異なります。

法学部は学部別と異なり、3科目イーブン。商学部は英語の配点が200点とかなり高めです。政経学部、文学部、経営学部は学部別と同様の配点。情コミュは学部別と異なり、英語の配点が高くなっています。国際日本学部は学部別とは異なりますが、英語の配点が高いという点では同様です。

また、国語の出題範囲に関しては、全ての学部で古文の出題のみで、漢文はありません。

英語が得意な人は、商学部や国際日本学部を選ぶのがよいでしょう。一方で、地歴公民や数学で得点を稼ぎたい人は、法学部や経営学部、農業環境政策あたりがおすすめです。

 

改めて難易度の確認をしておきます。

偏差値はおおよそ60~62.5でしたが、全学部入試の場合は、配点は異なるものの合格最低点が公表されています。

これを見てみると、経営学部、情コミュ、国際日本学部はかなり難易度が高いと言えます。

 

次に、英語外部検定利用について見ていきます。

上段は、学部別入試における英語外検利用になります。

商学部は英語外検を出願資格として使い、英検であれば2級以上になります。英語の配点が学部別入試の2倍である300点に換算される、いわゆる出願資格型プラス英語重視の傾斜配点型と言えます。

経営学部は出願資格型に加えて、加点方式で英語の試験が免除され、スコアによって加点されます。ただし配点がMAX30点、準1級で30点なのであまり差がつかず、実質他教科勝負となります。

国際日本学部は、出願資格型でCEFRのB2、これは英検で言うと準1級以上であれば出願可能で、英語の試験は免除となります。これも英語以外での勝負になります。英語があまり得意ではないけど国際日本学部に行きたい人向けだと思います。

 

後半、下段は全学部入試における英語外検利用になります。

3学部とも共通して出願資格かつ得点換算型です。英語の配点はふつうの全学部入試と同じになります。基本的にCEFRでB2である英検準1級レベル以上であれば満点換算になり、英検2級でも8割の得点換算、ちょうど間の英検2088点で9割換算になります。準1級かそれに近いスコアがある場合、全学部との併願用として出願する感じだと思います。

 

続いて、学部間の併願状況について見ていきます。

まず、学部別入試から見ていくと、最も併願者が多いのは、商学部と経営学部、次に政経学部と商学部、政経学部と経営学部、それから商学部と情コミュ、経営学部と情コミュも多いです。これらは単に学問領域として近しいことが理由として考えられます。

法学部志願者で最も併願が多いのが政経学部、ほぼ同数で商学部です。また文学部志願者でもっとも多いのが情コミュ、国際日本学部で最も多いのが文学部となります。

 

次に全学部入試を見ていくと、最も併願者が多いのが、商学部と経営学部、続いて法学部と政経学部、政経と商学部あたりです。配点は異なりますが、やはり学問領域的な面での併願と思われます。

 

英語外検利用についても見ていきます。

学部別だと商学部は同じ学部別入試との併願者の割合は1割に届かないくらいです。

また、経営学部の英語外検はあまり人気がありません。

全学部入試だと、同じ経営学部でも学部別よりは人気があって約16%が併願しています。国際日本学部でも、普通の全学部入試の志願者が経営より少なく、約33%の人が併願していることになります。

以上からわかるように、英語外検利用については学部別入試よりも全学部入試の方で利用価値を感じている人が多いようです。

 

学部別入試の出題傾向についても見ておきます。

ここでは選択科目のひとつである数学については割愛させてもらいます。地歴公民のうちの日本史・世界史中心に掲載しています。

法学部は国語、現代文が法学っぽい硬めの文章なので苦手な人もいるかもしれません。英語では50字程度の内容説明問題が複数あります。

商学部はどの科目も解きにくいというはあまり感じませんが、世界史に3~4行の論述問題があるので注意が必要です。

政経学部はまず英語が60分の割に問題数が多いので時間が厳しいというのと、国語現代文で50字の記述があり、また日本史・世界史ともに論述問題があります。世界史では2~300字程度の論述があり、日本史でも論述が出ます。全体的に対策が必要な学部と言えます。

経営学部は国語で記述があり、古文漢文で現代語訳の記述問題が出ます。なお、日本史は近世・近現代中心の出題になります。

文学部は英語が試験時間60分で大問5題あるので時間が厳しいです。また国語では漢文が必須であるのと、古文漢文で現代語訳の記述問題が課されます。

情コミュは英語がやや時間が厳しいのと、現代文でイラスト問題がよく出されます。歴史を含めて少し変わった出題傾向なので、面食らわないように対策をしておいた方がよさそうです。

国際日本学部はやはり英語の文章量・語数が多めで、また国語で内容記述問題が課されます。また世界史では一昨年までは英語で答えさせる問題や、3年前までは大問1つが英語長文での出題でしたが、直近の年度ではなくなっています。

農学部は全体的に解きやすい印象がありますが、英語で発音アクセントの問題が課されます。

 

ここまで見てきたことを踏まえて、改めて併願パターンについて考えていきます。

赤字のところは併願率が高い情コミュ・経営学部・政経学部・商学部の4学部です。仮にそこをすべて受けるとすると、2/13~15くらいしか受けられなくなります。たとえば同じMARCHレベルで明治よりやや受かりやすい中央大学の経済や商学部、もちろん慶應経済や慶應商など上位の併願もありますが、明治を第一志望とするなら、併願は中央あたりが現実的です。しかし、この4学部をすべて受けるというのも併願戦略としてはややバランスにかけるかもしれません。明治の人気学部を4つとも受験するわけなので、すべり止めが手薄にならないように注意が必要です。

また全学部統一日程を受けるかどうかが悩みどころです。仮に受けるとするなら、2/6,2/7はその後の学部別に向けて休みたいです。特に情コミュを受ける場合は休みたいところですが、強いていうなら2/6の学習院経済コア日程あたりなら併願しやすいと思います。なお、中央商や経済の偏差値が55~57.5、学習院経済も57.5、明治のこれらの学部の偏差値がだいたい60なのでやや下がる程度です。

 

最後に共通テスト利用についても表にまとめてあります。

明治学部は前期日程、後期日程を設けていますが、文系学部で後期日程があるのは商学部のみです。なお、共通テスト英語のリーディング:リスニングの比率は、1:1です。さらに、共通テスト国語の範囲に漢文は入ります。

 

以下が今回のまとめです。

1)個別日程では情コミュ・経営・政経・商のカルテットに注目

ただし政経学部・情コミュは出題傾向に注意

2)英語が得意⇒国際日本(学部別・全学部)、商(英語外検)

3)地歴が得意⇒文学部・情コミュ・農学部(学部別)法(全学部)

*政経学部の論述

4)全学部入試を受けるかどうか?どう併願するか?

5)他大併願…入試日程、それから…

まず、4)に関しては、過去問を解いて合格点に届きそうかを確認することがおすすめです。また、併願可能なので、それを利用して必ず滑り止めを入れるようにしてください。

また、5)について、他大との併願についてですが、もちろん入試日程を見ながら他大学との併願を考えていくべきです。しかし、そもそも明治を受ける層というのは、基本的に早慶志望、あるいは国公立大志望の併願か、明治を第一志望にしている人達が中心であり、また合格する人の大半はその層の人達です。

既に明治大学はMARCHのトップクラスの地位を確立しています。なので、中途半端な気持ちで受けたり、欲張って併願のバランスを失ってしまったりと、リスクやコストばかりかかってしまうような受け方にならないように気をつけてください。

 

詳細はこちらの動画でも解説しています。

 

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