2023/09/23 土

早稲田理工と慶應理工の比較

早稲田の理工と慶應の理工、どっちを受けるか、あるいは両方受かった場合にどちらに進学するのか悩むことが多いかもしれません。どちらのも私大最難関の理工系学部ですので、当然かもしれませんが、ここで両者の比較をしてみます。

 

まずは学部・学科の詳細から見ていきます。

早稲田大学は基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部の3つの理工学部があり、全18学科に分かれています。

基幹理工学部は学系1・2・3と募集の窓口が分かれており、2年進級時に7つの学科に進路が振り分けられます。一番学科の選択肢が多いのが学系2で、そこが最も人気があります。*2025年度から学系が4つに変更予定(=学系2が「工学系」と「情報系」に分化)。

創造理工学部は建築学科を除くと経営システム工学科が最も人気があり、それ以外は他と比べると難易度が低めになります。なお、建築学科は慶応にはないので、建築学科を志望するなら早稲田一択です。

先進理工学部では生命医科学科が最も人気があります。生命医科学科は早稲田理工独自の学科になっています。

 

次に学科別に合格最低点を見ていきます。

先述の通り、基幹理工学部では学系2、創造理工学部では建築学科と経営システム工学科、先進理工学部では物理学科と生命医科学科が最難関になっています。なお、物理学科は物理と化学の配点が2:1の傾斜配点です。

また、基幹理工学部と創造理工学部では得意科目選考が実施されており、先進理工学部では第2志望の学科まで出願が可能です。

学部 学科 2022合格最低点 2021合格最低点
基幹理工学部 学系Ⅰ 178 198
学系Ⅱ 181 219
学系Ⅲ 176 213
創造理工学部 建築 185/400 218/400
総合機械工 161(=44%) 192(=53%)
経営システム工 178 206
社会環境工 163 202
環境資源工 163 202
先進理工学部 物理 196 229
応用物理 176 210
化学・生命化学 175 206
応用化学 180(=50%) 209
生命医科 186 219(=60%)
電気・情報生命工 172 198

 

一方、慶応大学理工学部では学門制を敷いており、学門A~Eまで分かれています。学門Aは物理・電気・機械分野、学門Bは電気・情報分野、学門Cは情報・数学・データサイエンス分野、学門Dは機械・システム分野、学門Eは化学・生命分野となっています。1年生の時はそれぞれの学門で勉強し、2年進級時に進路振り分けがなされます。慶応大学の場合、学門5つに対して学科は全部で11学科となります。

慶応理工の学門別の合格最低点は非公表であり、学部全体としては毎年5~6割で最低点が推移しています。

 

ここからは、早慶合わせて難易度の比較をしていきます。

実は偏差値の差はほぼ無く、ほとんどが偏差値65。偏差値62.5は早稲田創造理工学部の総合機械工学科、社会環境工学科、応用物理学科で、偏差値67.5は早稲田先進理工学部の生命医科学科です。

 

次は入試科目と配点について見ていきます。

左が早稲田、右が慶応です。

配点 科目 配点
120点 英語 150点
120点 数学 150点
120点(60×2科) 理科 200点(100×2科)

早稲田は数学重視、慶応は理科重視と言えるでしょう。

 

続いて、科目別に見ていきます。

まず、英語について、早慶共にマークシート方式で試験時間は90分。早稲田は大問5題中、読解が4題で文法問題が1題。長文は語数が多く、科学系特有の難解な表現や語彙が多い文章であり、数学的な知識を要する問題もあります。

一方で慶応は大問4~5題中、読解が2~3題、会話文が1題、文法問題が1題。記述は空所補充を埋めるのみです。長文は自然科学系の論説文が多く、文章・語彙レベルが高いです。

どちらも難易度が高いですが、早稲田と慶応を比べた場合、早稲田の方が高いと言われています。

次に、数学について、早慶共に試験時間は120分、問題数は大問5個。しかし、出題形式がかなり異なり、早稲田は全問記述式で、慶応は空所補充型記述式です。早稲田は数Ⅲ多めで、難易度が高いと言われていますが、全体としては東大・東工大よりは解きやすいです。かつ、記述式なので部分点がくるので、そのような取り組みが可能です。

一方で慶応も数Ⅲ多めで融合問題も多く、問題量・計算量も多くなっています。問題としては早稲田よりも慶応の方が易しいですが、形式や部分点が無いことを考慮すると、点の取りやすさは一概に比べられないと言えるでしょう。

続いて、物理について、試験時間は早慶共に2科目で120分、つまり1科目あたり平均60分しかありません。早稲田は大問3題で1問マークシート、他は記述式などであり、慶応は大問3題全て空所補充型記述式です。どちらも時間に対して問題量・計算量が多いです。難易度に関してはどちらかといえば、早稲田の方が難しい印象です。なお、早稲田では一部の学科では生物の選択も可能です。

最後に、化学について、出題形式は物理と同様であり、早稲田は大問3題で1問マークシート、他は記述式などであり、慶応は大問3題全て空所補充型記述式です。早稲田の特徴として、第一問が小問集合で、残りが理論と有機で1題ずつです。また、全部で約50個の設問数となっています。一方で慶応は、出題分野は早稲田と変わりませんが、反応速度・化学平衡、構造決定が頻出です。どちらも計算力・スピードが必要となってきますが、両校とも難問は多くなく、標準レベルの問題を中心に出題されます。

 

最後に選ぶ基準について確認していきます。以下がその基準です。

1.行きたい学科や進振りの都合

2.配点や出題傾向(=受かりやすさ)

3.好み(=校風など)

ただ、どちらか片方選べない場合やどちらも受けたい場合は、もちろん、両方受けて受かったほうに進学すれば良いと思います。

 

またこちら(↓)の動画でも詳しく解説しています。

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