2021/05/28 金

国語力は読書量で決まる?

学習方法として正しいのかどうか、あるいは勘違いや落とし穴がないか、などを科目別に述べていくシリーズ第3弾。

今回のテーマは「国語力は読書量で決まる?」について。

「本を読まないから読解力がない」とか「本を読めば国語力がつく」という言説をよく耳にしますよね。確かに読まないよりは読んだ方がいいに決まっていますが、「読書=国語力」と単純には言えない部分があると思います。

まず読書の効用について述べておくと、

1,読むことに慣れる=読むスピードが速くなる&文脈把握力がつく

2,いろいろな言葉に触れる=“語彙力”がつく

ということが挙げられます。ただし読むだけでは限定的な側面もあります。たとえば、“読むスピード”が速くなるからと言って必ずしも国語力や読解力が上がるわけではありません。一般的に読むという作業は「速読」と「精読」にわけられますが、特に後者「精読」は一般的な読書では必ずしも鍛えられないからです。通常、小説などはなかなか「精読」しないですよね。

それから読書を通じて語彙力は増えますが、少し極端な言い方をすると“知っている言葉が増える”だけで、“使える言葉”が増えているわけではないということ。読書を進めていく過程で“知らない言葉”に遭遇した際に、その言葉をスルーせずに意味を調べていればより理解度が増すでしょうし、実際に使うことによってさらに理解度が深まるわけですから、読むだけで獲得した“語彙力”というものは脆弱とも言えます。

ちなみに国語力を養成するために読書以外で有意義なのは、辞書引きと文章を書くこと(=作文)。上記を踏まえて考えてみると腑に落ちるのではないでしょうか。

 

結論を申し上げると、「国語力は読書量では決まらない」です。

 

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