受験英語-勉強法の落とし穴&教材利用の裏テク
1、英語はちゃんとやれば必ず伸びる教科だ
まずこのことは真理だと思います。誰でも語彙・文法構文・読解等の知識やスキルが上がれば、あるいは多読を続ければ、ある程度英文を読めるようになるものです。しかし皆さんは、入試までの時間が限られていて、その中で他教科の勉強にも時間を費やさなくてはなりません。ですから当然、できるだけ効率的な学習が望ましいわけです。
2、目標とする能力・スキル
受験英語で必要な要素をいくつかに絞って挙げてみたいと思います。
A)語彙力(単語・イディオム)
B)文法・語法・構文の知識と運用
C)読解のスピードと精度
単純化した場合、この3つがある程度揃えば、センター試験はもちろん、早慶レベルでも合格ラインを超えることは難しくないでしょう。その他の要素、例えば、発音・アクセントや英作文、あるいは記述問題への対応など細かい点などは、ここでは付随的なものとしておきます。
3、学習効率を上げるポイント&教材例
端的に言うと、一つの分野や内容に偏らないことです。単語ばっかり、文法ばっかり、とならないこと。要は上記のABCを中心とした複合的な学習が肝要なのです。ここでは、その複合的要素を内包した教材として、いくつか有名問題集を挙げておきます。
a)速読英単語・・・語彙学習と読解を組み合わせている
b)Duo・・・単語とイディオムを包含している
c)NEXTSTAGE・即戦ゼミ3英頻・・・文法・語法・構文・イディオムなどを含む総合書
d)基礎英文解釈の技術100・基礎英文問題精講・・・精読と構文学習
e)英作文基本300選・新基本英文700選・・・英作文と構文学習
以上、それぞれの補足説明を見れば“利点”についてある程度わかっていただけるのではないでしょうか。もちろんこれ以外にも良書はたくさんありますので、自分に適したものを選んでみてください。
4、落とし穴・失敗する例
やはり、よくないのは“学習が偏る”ことです。特に英語学習の土台ができていない段階では、せっかくの努力も無駄になりかねません。いくつか失敗する例を挙げてみます。
ア)語彙力が足りないからといって、ひたすら単語集中の単語をそれだけで全部覚えようとする
イ)難関私大を受けるからといって早慶対策等を謳ったような難しい文法・語法の問題集にばかり時間を費やす
ウ)塾の先生に言われて精読ばかりにこだわってしまい、結果的に長文読解に向けた学習が疎かになる
エ)予備校人気講師の『○○テーマ講座』を受けていればなんとかなると思い込み、本来自分でやるべき部分の勉強を疎かにしてしまう
オ)文法や構文など理論や知識ばかりの学習に偏り、読解や演習などの“トレーニング”を怠ってしまう
学習参考書の謳い文句や評判、塾や予備校の使い方、あるいは自分自身の思い込みなども含め、案外“落とし穴”があるものです。とにかく英語学習で大事なのは“バランス”と“組み合わせ”です。
5、裏ワザ的問題集の使い方
ここでは市販の問題集から、「こういう使い方もあるのか」というようなものをいくつかご紹介します。
f)マーク式基礎問題集6「文章空所補充・文整序問題」
もともとセンター試験大問3対策としてつくられた問題集ですが、冒頭にディスコースマーカーのリストがあり、それを意識して読むための練習として最適です。また各問題に対して厳しめの制限時間が設定されているので速読の練習にもなります。一石三鳥の問題集。
g)英文法・語法内容正誤問題
これは東大や難関私大あたりの正誤問題対策として使えるものですが、英作文向けの補助教材としても利用価値があります。特にいくつかの英訳解答例から正しいものを選ぶ、というようなパターン(上智でよく出題される)は、英作文で間違いやすい例を確認する練習としても使えます。
h)速読英単語(必修編)対応CD
特に必修編は有名で持っている人も多いでしょうが、その「対応CD」も販売されています。これをi-podなどのプレイヤーに落とせば手軽にリスニングの練習が可能です。尚、これには専用の冊子教材が付属しており、中身は英文空欄補充型のテキストになっています。
i)NEXTSTAGE
前述の「即戦ゼミ3」もそうですが、左項=設問、右項=重要語句&解説、という構成になっています。状況によっては、左項の設問を解くのではなく、右項を中心に暗記確認用として使用する方法もあります。
j)大学過去問の中古本
色々な長文問題集がありますが、分量的にも限りがありますので、やる問題集がなくなったりしたら、第一志望以外(あるいは実際には受けないような大学学部)の大学過去問を中古で購入して、そこに掲載されている長文を読んでいくという手もあります。これは新鮮で“リアルタイム”な英語の文章をたくさん読めるという意味でもお勧めします。
6、最後に
もともと上記2で明記したABC3つの目標を考えると、ある程度土台ができれば、読解練習をメインで続けることが最も無難かつ効率的な英語学習法だと言えるでしょう。まずは早い段階での土台固め、そしてReading&Writingが英語学習の王道だということで、この話を締めたいと思います。