入試現代文の学習法(導入編)
最も勉強しづらい、成績を上げにくいとまで言われる現代文。また、「読書云々」が国語力を高めるとよく言われますが、受験生にとってみれば今さらで、そんな時間や余裕もありません。ここでは、できるだけ短期間で成績が上がる可能性・方法論について述べてみたいと思います。
準備段階
学習法は個人によって異なるものですし、スタート段階も個人によって異なります。特にそれぞれが持っている語彙力によって、その後の学習法にも影響してきますが、とりあえず一般論として申し上げると、大学受験に向けてまずやるべきことは
A)入試現代文特有の語彙・キーワードおよびテーマ・背景に関する知識
B)評論文の構造パターンに対する理解
以上を確認・インプットすることから始まります。例えば、A)現代文において頻出テーマである「近代科学」とは何を意味するのか、あるいはどういう見解が主流なのか、などを知ること。また「主体―客体」「絶対―相対」などの重要語句(ex.抽象語やカタカナ語、学術用語含む)の意味をある程度把握しておくことが必要です。
B)評論文の構造性質や傾向について考えると、「二項対立」「抽象=具体関係」を中心に本文を読み解くことが、読解力向上への“近道”となります。その他、起承転結(序論本論結論)や頭括尾括などについても確認しておくとよいでしょう。
次に実践段階へ。
C)本文全体の読み方
D)設問への対応
E)記述練習
先ほどのBを踏まえて読解練習をします。C)段落ごとの内容把握や、全体・あらすじ(アウトライン)の把握・説明をできることがとりあえずの目標です。その“マクロ”の把握と同時に、詳細・ディテールの読み解き作業も行います。特に設問に与えられる傍線部やその前後の読み解きが中心となるでしょう。東大入試の国語でもそうですが、基本的にはD)傍線部の言い換え、あるいは傍線部前後を含めた因果関係や比較の説明が主となります。その際重要なテクニックは、指示語や接続語、あるいはキーワード・比喩表現に着目しながら読解・説明することです。
*尚、ここでは設問形式別の詳しい解法について省略させていただきます(ex.内容一致・空欄補充他)
この辺りの話(A~D)までで言えば、比較的短期間で知識・技術の習得が可能だと思います。この後(E記述練習)の部分は、やや辛抱が要る話ですが、引き続きお付き合いください(次項につづく)。