大学受験コーチングノート

2024/04/16 火

京大文系学部/学部別科目配点&出題傾向まとめ

2024年度時点での京大文系学部の学部別科目配点・出題傾向・合格最低点や特典シミュレーション、さらには2025年度の入試情報までを解説していきます。

京都大学の文系学部は5つあります。総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部。5学部の定員の合計が836人となります。東大の文系学部が1223人なので、その7割弱の定員になります。

各学部の科目配点についてみていきましょう。
共通テストのボーダーラインは2024年の河合塾調べになります。

京大総合人間文系/前期 共テボーダー89%

国語 地公
共テ 50 100 150
2次 150 100 200 200 650

総合人間学部の文系入試は共通テストの配点が150点と少なめになっています。しかも、合否に使われるのは地歴公民と理科、合計150点のみで、その他の国語、数学、外国語は足切りのみでの使用になります。2次試験は、国語150、地歴100、数学200、外国語200の合計650となります。

京大文学部/前期 共テボーダー84%

国語 地公
共テ 50 50 50 50 50 250
2次 150 100 100 150 500

続いて文学部です。こちらは、共通テストがすべて50点の合計250点。二次試験では他の学部と同様、4科目が課されますが、国語と外国語は150点と高めになっています。一次試験と二次試験の配転比率でいうと、1:2となります。

京大教育学部文系/前期 共テボーダー82%

国語 地公
共テ 50 50 50 50 50 250
2次 200 100 150 200 650

続いて教育学部です。文学部と同様、共通テストはすべて50点で合計250点。2次試験については、国語と外国語が高めの200点、さらに数学も地歴公民の100点より高い150点となっています。

ちなみに、京大は全学部共通で共通テストの英語の配点はリーディングとリスニングで3:1となっています。

京大法学部/前期 共テボーダー83%

国語 地公
共テ 200 200 200 100 200 270*
2次 150 100 150 150 550

法学部の前期です。共通テストの配点でいうと、国語200、地歴公民200、数学200、理科100、外国語200の合計900点となっていますが、実際は圧縮されて270点満点になります。二次試験が国語150、地歴100、数学150、外国語150の合計550となります。

京大経済学部文系/前期 共テボーダー84%

国語 地公
共テ 50 50 50 50 50 250
2次 150 100 150 150 550

経済学部です。共通テストは全学部50点、二次試験に関しては、国語と数学と外国語は同じ150点、地歴が100点で合計550点となります。文学部、教育学部と比べて数学の配点が大きくなります。また、経済学部は外国語の選択は英語のみとなります。

京大法学部/後期 共テボーダー88%

国語 地公
共テ 200 200 200 100 200 270*
2次 小論文100 100

後期日程の実施は法学部のみで、共通テストは900点満点を270点に圧縮し、二次試験では小論文のみの試験となります。

ちなみに、2025年度からは、共通テストに情報が加わり、必須化されます。これについては最後にまとめてお話しします。

 

各学部の配点比率と3年分の合格最低点を見ていきましょう。

配点(2次比率) 2023年度

合格最低点

2022年度

合格最低点

2021年度

合格最低点

総合人間 150:650(81%) 534.83(66.9%) 532.00(66.5%) 532.41(66.6%)
250:500(66%) 512.28(68.3%) 501.62(66.9%) 492.33(65.6%)
教育 250:650(72%) 593.83(66.0%) 586.32(65.1%) 580.24(64.5%)
270:550(67%) 545.40(66.5%) 544.10(66.4%) 519.75(63.4%)
経済 250:550(68%) 545.37(68.2%) 526.62(65.8%) 538.50(67.3%)

合格最低点は一次試験、二次試験の合算となりますが、3年分見てもおおむね60%台の半ばから後半です。二次試験でどれだけ取ればと合格かというと、例えば2023年度の文学部の場合で、68%。単純比較はできませんが、この年の文系学部で最も合格最低点が高いです。その年の共通テストのボーダーは84%で、今年と同じになりますが、それが仮に共通テストの点数だとして計算すると、一次試験が250点分の210点。残り二次試験で302.28点取れば合格になります。これは二次試験での得点率が60.4%になります。そこで最低ノルマが約6割ということになります。

経済学部でも計算してみると、今度は2021年度で計算してみます。合格最低点が67.3%。その年の共通テストのボーダーが87%なので、250点満点で217.5点。残り二次試験で最低321点が必要になります。これで58.3%。ちなみに、総合人間学部は共通テストのボーダーも高いので要注意です。共通テスト89%だと、二次試験で61.7%が必要で、先ほどの文学部と比べて1.3%ほど高い点数となります。

 

ここからは科目別に出題傾向と問題構成について解説していきます。

【英語】

まずは英語からですが、試験時間120分です。満点は学部によって変わりますが、素点としては150点になります。

問題構成は読解が2題、英作文が2題になります。得点としては、読解が50点×2、英作文が25点×2で、英作文が1/3を占めます。

特徴としては、読解の中に和約がありますが、下線部が長く、語彙レベル・構文レベルともに高いので、直訳・逐語訳では対応できません。単語の意味も文脈から推測しながら和訳していかなければならないです。

あと、年度にもよりますが、内容説明や要約の問題も日本語で書く必要があります。

和文英訳も長いことで有名です。こちらもそのまま直訳するのには無理がありまして、日本語で一旦言い換えてから英訳をしていくというのが必要になります。

最近では和文英訳ともう一題英作文が出題されますが、だいたい条件付き自由英作文か会話文の中の空欄を埋めるタイプになります。

いずれにしても京大の英語は一筋縄にいかないです。東大の英語と比べると、量が少ないように感じますが、ひとつひとつにかける時間はそれなりに必要で、それなりの難易度と言えますし、処理能力というより純粋な読解力や日本語の記述能力が必要とされる傾向にあると思います。

【国語】

続いては国語です。同じく120分で150分満点。問題構成としては現代文が2題、古文が1題の合計3題。全問記述論述形式になります。

特徴としては、とにかく現代文・古文ともに2行から5行程度の記述説明が必要となることです。4行、5行はかなりの字数を書かなければならず、埋めるだけでも大変な作業ですけど、逆に慣れてしまえば、まとめたり吟味したりする手間がない分、楽な面もあるかもしれません。

それから現代文に関しては、以前は近代文語文が頻出でしたが、最近は評論文と随筆からの出題で、たまに以前の名残で小説や文学評論も出題されます。漢文の独立した出題はありません(古文との融合のみ)が、古文も本格的な読解問題なので、半端な対策では太刀打ちできません。

【数学】

続いで数学です。こちらも120分で150点満点です。問題構成は大問5題で、各30点になります。全問記述式です。

難易度としては、東大と比べるとやや易しい印象ですが、全国的にみるとやはり難しいほうです。また、大問ごとに誘導がほぼありません。問題文も短いので、逆に解きにくい面もあります。タイプ的には一橋の数学に似ていると思います。

頻出単元は、満遍なく各単元から出題されていると思います。証明問題が毎年1題程度出題されます。採点は全体的に厳しいとの噂です。

【地歴】

京大の場合は、日本史、世界史、地理から1科目選択です。試験時間は90分で、点数としては100点。

日本史の問題構成は、大問4題で、大問1~3は記述短答式で、配点としては計70点。大問4は200字論述問題が2題で、計30点です。論述問題2題のうち1題は近現代からの出題です。論述問題がカギになってくると思いますが、配点としては3割しかないので、他の短答式でしっかり得点することが重要です。史料問題が必ず出題されて、そこで穴埋めが課されますので、書けるように対策が必要です。

世界史の場合は大論述2題で合計40点を占めるので、やはりこちらは鍵を握ると思います。残り2題は短答式と短めの論述から構成されています。全体で大問4つになりますが、基本的には欧米史とアジア史が毎年半々ぐらいの出題で、特に中国史は毎年出題されます。

最後に地理ですが、大問5題で、読図問題が毎年出題されます。図表やグラフの読み取り問題も多いです。地理特有の短めの論述も出題されます。

 

試験時間割について

前期日程の時間割としては、初日に国語と数学、2日目に英語と地歴があります。先ほども言いましたが、二次試験での最低ノルマは6割程度。全科目平均6割を基準に考えるといいと思います。得意・不得意、あるいは科目の配点によってどこで得点をしていくかというところになっていくと思いますが、果たして二次試験で各科目何点取ればいいのか、例えば、文学部でシミュレーションしていきます。

 

京大文学部の得点シミュレーション

国語 地公
配点 150 100 100 150 500
75 70 60 100 305

 

今回は、国語75点、地歴70点、数学60点、外国語100点とシミュレーションしました。こちらで得点率61%となります。国語は採点も厳しいと思うので、低めの半分。京大の場合、国語で半分を超えるのは容易ではないと言われています。

その代わり英語や地歴で7割とって、数学で最低6割、すなわち2完ないしは3完を目標に臨むといいのかなと思います。あとは、得意科目でもう少し得点すると考えると、余裕をもって合格最低点を上回れると思います。

また、来年度2025年度の新課程での共通テスト、情報科目が必須化されます。そちらの配点を確認しておくと、総合人間学部は情報25点がそのまま加点となります。文学部は情報15点となっており、265点となるはずですが、それを従来の250点に圧縮するので、情報の配点は実質的には15点以下になります。教育学部は逆で、情報を15点として扱って、圧縮せず合計265点。法学部は情報を50点として扱って、合計950点を更に280点に圧縮する形です。もともと一次の配点が280点なので、実質的には情報で15点が加算されるというイメージです。経済学部は50点で扱いますが、他教科と同じ配点なので、他の学部と比べると、圧倒的に情報の比率が高いです。共通テストだけで言うと、16%を占めますし、全体でも5.8%を占めるので、経済学部志望の人は2025年度以降要注意です。

以下、2025年度の学部別入試配点表(予告)です。

 

京大総合人間文系/前期 2025年度

国語 地公 情報
共テ 50 100 25 175
2次 150 100 200 200 650

京大文学部/前期 2025年度

国語 地公 情報
共テ (50) (50) (50) (50) (50) (15) 250
2次 150 100 100 150 500

京大教育学部文系/前期 2025年度

国語 地公 情報
共テ 50 50 50 50 50 15 265
2次 200 100 150 200 650

京大法学部/前期 2025年度

国語 地公 情報
共テ (200) (200) (200) (100) (200) (50) 285*
2次 150 100 150 150 550

京大経済学部文系/前期 2025年度

国語 地公 情報
共テ 50 50 50 50 50 50 300
2次 150 100 150 150 550

 

また、数学の出題範囲についてですが、数Cのベクトルはもちろん含まれますが、数Bの統計的な推測は出題範囲外のようです。あくまでも予告の段階なので、正式なリリースで確認をよろしくお願いします。

 

以上、詳細はこちらの動画 ↓ で解説しています。ご参照ください。

 

 

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