2023/10/06 金

中央大学一般選抜各入試方式のまとめ

中央大学一般選抜の各入試方式、学部別の最低点・倍率などを含めて細かく見ていきたいと思います。

まず中央大学の特徴として、司法試験や会計士、税理士試験といった資格試験に強いことが一番に挙げられます。また、多摩にあるキャンパスが広いことも特徴です。ただ、多摩キャンパスは都心からのアクセスが悪く、人気に陰りがあるため最近は都心回帰を進めています。

以下の表が学部ごとのキャンパスの配置と一般個別試験の日程・科目です。

基本的に文系学部は多摩キャンパスですが、法学部のみ2023年から茗荷谷キャンパス(文京区)へ移転しました。また、理工学部は後楽園キャンパス(文京区)、国際情報学部は市ヶ谷田町キャンパス(新宿区)にあります。

キャンパス 学部 一般選抜(2024年度)
茗荷谷 法学部 4教科型:英・国・歴史か政経・数学ⅡB

3教科型:英・国・歴史か政経か数ⅡB

多摩 経済学部 英語・国語・歴史か政経か数ⅡB
商学部 英語・国語・歴史か政経か数ⅡB
文学部 英語・国語・歴史か政経か数ⅡB
総合政策学部 英語・現代文
国際経営学部 英語・現代文
後楽園 理工学部 英語・数Ⅲ・理科1科
市ヶ谷田町 国際情報学部 英語・現代文

次は、中央大学の一般選抜の入試方式を見ていきます。以下が一般選抜の入試方式です。

(A)6学部共通選抜(文系学部の全学部統一試験)…普通の独自試験(3~4科目)

(B)学部別選抜 (X)一般方式…普通の独自試験(2~4科目)(Y)英語外部試験利用方式…英検を換算+他科目独自試験(1~2科目)(Z)共通テスト併用方式…共テ+独自試験(1~2科目)

(C)共通テスト利用選抜(単独利用方式)

まず一般選抜の日程から(2024年度)。以下のように6学部共通選抜を皮切り順次組まれています。

2月9日 6学部共通選抜
2月10日 文学部 国際経営学部
2月11日 文学部商学部(A) 国際情報学部
2月12日 法学部
2月13日 商学部(B)
2月14日 経済学部(1)
2月15日 経済学部(2) 理工学部
2月16日 総合政策学部

学部別選抜では、各日程の中で上記の(X)一般方式、(Y)英語外部試験利用方式、(Z)共通テスト併用方式の3つの方式が同時に実施されるということになります。さらに学部によっては科目数が異なり、たとえば法学部は4教科型と3教科型の選択、経済学部・商学部・文学部は英語と国語に歴史or政経or数ⅡBの3科目。そして、総合政策学部・国際経営学部・国際情報学部は英語と国語の2科目になります。理工学部は英語と数Ⅲと理科1科目の3科目になります。

以下の表は共通テスト利用なども含めた一般選抜全体の学部別一覧表(中央大学公式HPより)になります。

 

6学部共通選抜は理工学部と国際情報学部以外での実施です。また、英語外部試験利用方式は法学部と商学部以外での実施。そして、共通テスト併用方式は文学部以外での実施となっています。加えて、共通テスト利用方式は全学部で実施されており、前期選考と後期選考がありますが、後期選考は文系学部のみになります。

なお、6学部共通選抜は科目が一致し、追加料金を払えば、複数学部の併願が可能です。また、全学部・全方式で地方会場での入試が行われているので、併願がしやすくなっています。

 

では、学部別に見ていきます。まずは<経済学部>です。以下の表はそれぞれの入試方式と科目についてまとめたものです。

入試方式 日程 教科科目
6学部共通選抜

*1学科のみ出願

2/9 3教科

*数学・社会からの選択

学部別選抜/一般個別 2/14.15(学科別) 3教科

*数学・社会からの選択

学部別選抜/英検利用 2/14.15(学科別) 英語外部検定を英語に換算

+国語+数学・社会からの選択

学部別選抜/共テ併用 2/14.15(学科別) 数学+共テ/英語・国語(漢文含)
共テ利用選抜 なし

前期・後期の各日程

前期:3教科型・4教科型あり

*4教科型は数学2科でも可

後期:3教科型

学部別選抜は、2/14,15の2日に分けて学科別に実施されます。一般個別については、独自試験を3教科で受けます。一方、英検利用については、英語が外部試験で、国語と数学or社会の2科目を受験することになります。また、共テ併用方式は、数学のみ独自試験で、英語と国語は共通テスト利用です。これらの入試方式は、複数の併願が可能となっています。また、学科については、志望順位制という制度が採用されています。この制度は、ひとつの学科に絞って出願するのではなく、複数の学科に志望順位をつけて出願するというものになります。

続いて配点について見ていきます。

入試方式 英語 国語 数学or社会 合計 2023倍率
6学部共通選抜

 *1学科のみ出願

100 100

*漢文除

100 300 ×4.4
学部別選抜/一般個別 150 100

*漢文除

100 350 ×5.7
学部別選抜/英検利用 150

*換算

100

*漢文除

100 350 ×5.4
学部別選抜/共テ併用 100

*共テ

リス含

100

*共テ

漢文含

150

*数学のみ

350 ×3.2
共テ利用選抜/前期4科 300 200 200×2科

*数ⅠA必須

*理科可

900 ×3.0
共テ利用選抜/前期3科 300 200 200

*理科可

700 ×4.4

6学部共通選抜は3科目イーブン、一般個別と英検利用は英語が150点でその他が100点、共テ併用は独自試験の数学が150点でその他が100点となっています。また、共テ利用は、英語が300点で他が200点です。なお、4教科型は数ⅠA必須となっています。

倍率について見ていくと、昨年対比で英検利用が最も倍率が上がり、共通テスト利用は下降傾向となっています。

ここで、英検利用の得点換算について、詳しく見ていきます。

出願資格は2級以上であり、150点満点をスコアに応じて5点刻みの得点に換算しています。公表されている例としては、英検のスコアが2000点(英検2級+α)で95点となっていますが、この換算については一部しか公表されていません。独自で予想してみると、2630点(1級)で150点、2304点(準1級)で135点、約2200点で120点、2000点(≒2級)で95点だと思われます。よって、2200点ぐらいのスコアがある人は出願の検討の余地があると思います。

 

ここで話を戻して、中央大学の最近の動向について確認しておきます。

まず、2019年度に国際経営学部(多摩)、国際情報学部(市ヶ谷田町)がそれぞれ新設されました。キーワードとして「国際化」があります。そして、2023年度から法学部が多摩から茗荷谷キャンパスに移転しました。ここのキーワードは「都心回帰」になります。しかし、どちらかと言えば、学部だけではなく、ロースクールなどの大学院や社会人向けのビジネススクールなどを都心で展開していきたいという思惑があると考えられます。ただ、これは大学生にとってもメリットがあります。都心3キャンパスで学部横断の『学問最前線』が開講され、例えば法学部の学部生が国際情報学部の授業を受けられるようになります。

では、次はその<国際情報学部><国際経営学部>そして<総合政策学部>について見ていきます。

学部 入試方式 科目数 英語 国語 地歴公民 数学
総合政策 6学部共通 3科目 150 100(漢文除) (100) (100)
一般個別2/16 2科目 150 100(近代以降)
国際経営 6学部共通 4教科型 200 100(漢文除) 100 100
3教科型 200 100(漢文除) (100) (100)
一般個別2/10 2科目 200 100(近代以降)
国際情報 6学部共通 なし
一般個別2/11 2科目 150 100(近代以降)

3学部とも一般個別は2科目のみで受験できます。配点は異なりますが、英語が得意な人は狙い目になると思います。また、6学部共通選抜について、国際情報学部は実施されていませんが、総合政策学部では3科目、国際経営学部では4教科型と3教科型から選べるようになっています。

以下は英語外部試験利用方式に関する表です。どの学部も要求される英検のスコアは高く、準1級程度が必要です。

学部 英検利用方法 英検得点 英語 国語 地歴公民
総合政策 出願資格+得点換算 50 100 100(近代以降)
国際経営 出願資格+得点換算 200 100(近代以降)
国際情報 出願資格のみ 100(近代以降)

また、共通テスト併用方式は、英語の独自試験が課されるため負担が軽くなるわけではありません。共通テストの点数に自信がある場合に併願として出すのが良いと思います。

続いて、<法学部>について見ていきます。

入試方式 科目数 英語 国語 地歴公民 数学
6学部共通選抜 4教科型 150 100

*漢文除

100 100
3教科型 150 100

*漢文除

(100) (100)
学部別選抜/一般個別 4教科型 150 100

*漢文除

100 100
3教科型 150 100

*漢文除

(100) (100)

まずは一般方式です。

両方式で科目ごとに同じ配点になっていますが、国際企業関係法学科のみ英語が200点です。

入試方式 科目数 共通テスト 独自試験
英語 国語 その他
学部別選抜/共テ併用 独自試験:英語

+共通テスト4科目

100 200 100×2科 200(英語)
共通テスト利用単独方式

前期日程

5教科型 200 100 100×3科
3教科型 300 200 200×1科

次は共テ利用です。共テ併用型から見ていきましょう。独自試験で英語が課されますが、共通テストでも100点分加算されます。共テ利用単独方式は、5教科型と3教科型がありますが、いずれも国語よりも英語の配点が大きくなっています。

続いて、<理工学部>を見ていきます。

入試方式 英語 数学 理科 合計
学部別選抜/一般個別2/15 100 100 100 300
学部別選抜/英検利用 英検出願資格のみ 100

*数学科は200点

100 200
学部別選抜/共テ併用 150(共テ)

R:L=4:1

150(独自) 150(独自) 450
共テ利用選抜/前期4科 200

R:L=4:1

200(2科) 100(1科) 国語100

*近代以降

600

理工学部は全10学科あります。また、入試は2/15のみになりますが、入試方式は3種類あり、それぞれ併願が可能です。英検利用は、英検は出願資格のみであり、しかもスコアと倍率ともに低めなので、出願できる人はしたほうが良いと思います。共テ併用方式は英語のみ共通テストで数学と理科は独自試験です。なお、共テ併用方式は2学科まで併願可能です。

 

最後に、文学部は全13学科ありますが、入学時に学科を選択しない専攻フリーコースも選択可能です。商学部に関しては全4学科あり、入学するときに学科を選べるフリーメジャーコースもあります。入試日程は2日間あり、難易度から見ても他大学との併願がしやすくなっています。

 

まとめ

A)一般方式では科目数に注目 例)法学部は4教科型と3教科型、総合政策学部と国際系2学部は2教科型

B)一般方式は学部によって志望順位制 ・・・当然ながら間口が広くなるという意味で若干受かりやすくなります

C)学部別選抜での複数方式の併願 ・・・追加の受験料が15,000円になる割引制度があるので、英検や共通テストなどの条件によっては出願の検討をぜひ。

 

詳細はこちら↓の動画でも解説しています。

 

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