いろいろな体験談とその考察(その2)
その2、勉強の仕方に関する選択
<学校か塾か独学か>
最近では、大学受験でも塾・予備を利用する割合は多くなっている一方だと思います。しかし、例えば、地方と大都市部(特に首都圏)とでは様相が異なります。
1)地方進学校出身の東大合格者はあまり塾・予備校に行かず自分で勉強している科目の割合が多い。2)一方、首都圏の場合、国立私立に関わらず、ほぼ全教科で塾を利用する。
塾・予備校の存在をどうのこうの言うつもりはないのですが、立地的な条件や環境の問題は別として、どうしてこれだけわかれるのか考える必要はあります。最近では地方有名校の生徒も塾や予備校を利用する率が増えているようですが、科目によったり、講習のみという人も多いです。あとは、市販の問題集や過去問等を使って勉強しているようです。もちろん学校の授業や指導そのものが相応に活用できるということが条件でしょうが。
結論:塾・予備校の授業をとったから必ずしも“学力”が上がるわけではない。教材や情報を活用して、できることは自分で学習することも受験に際して必要な能力(=学習能力)であり、また科目によって自分なりに学習法を見極めるべき。ちなみに、学校の授業もできるだけ活用した方が効率はよい。
追記。例えば既卒生で独学(宅浪)を選ぶ人もいます。それで東大など難関大に合格する人もいますが、これはある程度、分析力や自己管理能力に長けているということが条件だと考えます。一般的に言えば、リスクが高い選択になります。
<基礎と応用の優先度>
基礎と応用の優先度について、以下2つの考え方を比較してみます。
1)難しい問題に慣れる、あるいは負荷をかけておかないと難関大は厳しい。2)応用よりも基本を繰り返し、定着したら過去問や入試問題集に手をつける。
これも意見はわかれます。ただ、東大合格者に限っては、意外にも後者(2)の方が多い気がします。「もともとできる人だからでしょ」という反論はあるでしょうし、東大入試問題の特性との相関性(国公立と私大の傾向の違い等)もあるでしょう。ただ、難問を解くための“運用力”は基礎ができていないと発達しないので、個人的には(2)が妥当だと考えます。一方で(1)でいうところの慣れや負荷はとても重要です。状況と残り期間を考えたタイミングで取り入れるべきだと思います。
結論:基本問題を優先しても、応用問題を優先しても、結果的に基礎が固まっていればいい。そうすれば“運用力”“応用力”はついてくる。